帰ってきた五郎丸!ポーズ“封印”も十八番ゴールで逆転勝利貢献

[ 2017年8月19日 05:30 ]

ラグビートップリーグ第1節   ヤマハ発動機14―11トヨタ自動車 ( 2017年8月18日    豊田ス )

後半8分、ゴールを決めるヤマハ・五郎丸 
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 15季目のシーズンが開幕し、15年W杯日本代表のFB五郎丸歩(31)が2季ぶりに復帰したヤマハ発動機は、トヨタ自動車に14―11で逆転勝ちした。五郎丸自身もプレースキッカーとして2ゴールを決めて80分間フル出場。実数発表となった04〜05年シーズン以降ではリーグ史上最多の2万7871人の観客が駆けつけた中、悲願のリーグ初制覇へ絶好のスタートを切った。2連覇を狙うサントリーも白星スタートを飾った。

 五郎丸の新たなラグビー人生が幕を開けた。開始前から前半終了までピッチを叩きつけるような雨が降り続く最悪のコンディションにもかかわらず、豊田スタジアムに駆けつけた観衆は過去最高の2万7871人。「こういう天候でも3万人近い人が来てくださり、いい雰囲気で試合ができました」。19年ラグビーW杯の会場で再出発を飾り、五郎丸の表情に充実感がにじんだ。

 復帰後、初得点は後半8分。自身のハイパントを起点に生まれたWTB伊東のトライの直後のゴールキックだった。中央約15メートルをきっちり沈めると、23分には左中間約20メートルのゴールを再び成功させて逆転勝ちを支えた。

 「(位置が)真ん中ですから」と決めて当然という表情ながら「前よりゴールを見ずにボールに集中して蹴ることができるようになりました」。スーパーラグビー・レッズ(オーストラリア)、トゥーロン(フランス)での挑戦を経て、キックの前に両手の指を顔の前で合わせる「五郎丸ポーズ」は姿を消したが、ボールの先端をゴールポストに向けて置くなど新たなルーティンで進化を証明した。

 海外では右肩の負傷もあり、出場機会に恵まれなかったが、世界最高峰のレベルを体感できたのは何よりの財産。ヤマハ発動機が09年限りで廃止していたプロ契約で7月に加入後は、社員選手が勤務中にビデオでプレーをチェックするなどして開幕から期待に応えた。

 「ベストキッカーを獲りたいですね。(成功率)80%台後半が目標です」。さらに力を磨き、リーグを盛り上げながら初Vへの道を進む。

 ▼ヤマハ発動機清宮克幸監督 天候が悪く、五郎丸はミスもあったが、(飛距離の出る)キックはウチにとって昨年までにない武器。まだまだいける。(長男の早実・幸太郎内野手も応援に駆けつけた試合を飾り)

 ▽トップリーグの最多入場者数 これまでの歴代最多は15年12月26日の第7節、キヤノン―ヤマハ発動機戦、サントリー―東芝戦の2試合が行われた秩父宮ラグビー場の2万5164人。なお、3位も15年W杯イヤーだった16年1月24日のプレーオフ(神戸製鋼―ヤマハ発動機戦、パナソニック―東芝戦)の行われた秩父宮ラグビー場の2万4557人。3傑の試合全てに五郎丸は出場しており、改めて集客力の高さを見せつけた。

 【五郎丸のヤマハ発動機復帰までの経緯】

 ▼15年9月19日 W杯イングランド大会初戦の南アフリカ戦に先発。1トライを含む24得点を叩き出して大金星に貢献。一躍、時の人に。

 ▼同年11月4日 16年から、スーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)への期限付き移籍が正式決定。

 ▼16年2月15日 フランス1部リーグのトゥーロンへの移籍が報じられる。

 ▼同年2月27日 開幕のワラタス戦に途中出場し、レッズデビュー。1ゴール1PGで5得点を記録。

 ▼同年5月21日 サンウルブズ戦で右肩鎖関節脱臼を発症。のちに手術を受ける。

 ▼同年6月8日 トゥーロンへの移籍が正式決定。ヤマハ発動機は退団し、新たにアドバイザリー契約を結ぶ。

 ▼同年11月6日 敵地リヨン戦で途中出場し、トゥーロンデビュー。

 ▼17年4月12日 トゥーロンのブジェラル会長が契約延長をしない方針を示し、1年限りの退団が決定的に。

 ▼同年6月5日 ヤマハ発動機への復帰が正式決定。

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2017年8月19日のニュース