稀勢の里 釜石で復興土俵入り「苦しんでいる人の力になれれば」

[ 2017年8月14日 13:38 ]

鵜住居小・釜石東中の体育館で復興土俵入りを行った横綱・稀勢の里(左)。露払いは地元岩手県出身の錦木が務めた
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 東日本大震災からの復興を願う横綱土俵入りが14日、岩手県釜石市の鵜住居小・釜石東中で行われ、日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)と稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)の2横綱が参加した。

 復興土俵入りは震災のあった2011年から毎年行われており、今年の初場所後に第72代横綱に昇進した稀勢の里は初めての参加となった。雨の影響で当初予定されていたグラウンドから体育館での開催となったが、太刀持ちに輝(高田川部屋)、露払いに地元岩手県出身の錦木(伊勢ノ海部屋)を従え、約1000人の観客の前で力強い雲龍型を披露した。

 震災のあった11年に巡回慰問で岩手県を訪れている稀勢の里は「当時、こういう支援に初めて来て、その時に比べれば少しずつ回復しているのは見えた。でも、見えないところで苦しんでいる人もいると思う。そういう意味でも、力になれればと思って一生懸命やった」と話した。

 被災地では稀勢の里の奮闘に自らを重ね合わせて応援している人もいるという話を聞くと「自分の頑張りに比べたら、こちらの人の方が厳しい(ことを強いられている)。少しでも元気になってもらえるなら、協力していきたい。そのためにも体も心も鍛えて、いい相撲を取れるようにやっていきたい」と気持ちを新たにした。

 左上腕などに不安を抱える稀勢の里は夏巡業の序盤を休場。10日の茨城県日立市の興行から合流し、巡業のなかったこの日、復興土俵入りに参加した。

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2017年8月14日のニュース