松山 2位後退も踏ん張った1差 悲願メジャー制覇へテンションアガる

[ 2017年8月14日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー 全米プロ選手権第3日 ( 2017年8月12日    米ノースカロライナ州シャーロット クウェイルホロー・クラブ=7600ヤード、パー71 )

全米プロ選手権第3ラウンド13番、ティーショットを放つ松山英樹
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 日本男子初のメジャー制覇を目指して首位から出た松山英樹(25=LEXUS)は1バーディー、3ボギーの73と後退したものの、通算6アンダー、207でトップのケビン・キズナー(33=米国)と1打差の2位と粘った。小平智(27=Admiral)はこの日のベストスコアとなる67をマークして通算1オーバーの18位、谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)は74で7オーバーの64位となった。

 重圧に襲われた。初めて首位で臨むメジャーの第3ラウンド。松山は1番のティーショットを右に曲げた。2打目をバンカーに入れてボギー発進。苦闘の始まりだった。

 64で回った前日とは別人。フェアウエーキープ率57・14%、パーオン率55・56%。1Wもアイアンも制御できない。12番はグリーン左の深いラフに打ち込み、アプローチもミス。13番パー3は第1打がグリーンからこぼれ落ちて連続ボギー。

 「優勝争いのプレッシャーもあるし、今週ずっと自分の中に違和感があったのが思いきり出てしまった。スコアがいいので、みんな信じてくれないけど」と力なく話した。気温30度以上の酷暑。湿度は80%を超えた。顔には疲労が浮かんだ。

 ただ気持ちは切らさない。林に打ち込んだ9番は4メートルのパーパットをねじ込んだ。4打ビハインドで難関の終盤3ホール「グリーンマイル(死刑台への道)」に突入。手堅く攻めてパーを並べた。首位キズナーがその3ホールで3つ落とした。

 「同じ組の人を見て(怖さを)思い知らされた」と身震いしたが、差は1打に縮まり「助かりましたね」と素直な心境も口にした。

 「プレー内容には凄く不満があって気持ちは下がるけど1打差というのにはテンションが上がる」。21戦目のメジャー。最も優勝に近い位置で最終日へ。

 全英オープン覇者スピースが「英樹はミスをしてもバーディーを取る。キズナーが首位だけど彼に勝つのは難しい」と話すなど逆転を予想する声は多い。

 「チャンスもピンチもあると思うけど一つ一つ無駄にしないように。最後の3ホールで面白い位置にいられたらいい」と胸を高鳴らせる松山。暗くなった練習グリーンで1人居残りパットを繰り返した。

 ≪メジャー3R2位は自己最高≫松山は首位に1打差の2位で最終ラウンドに臨む。2位はメジャー第3ラウンドの自己最高順位。1打差はメジャー第3ラウンド終了時点の最少ビハインド。これまでは16年マスターズの2打差3位が最も優勝に近かった。

 ≪過去3回最終Rは首位と差広がる≫松山が首位と5打差以内でメジャー最終ラウンドに臨むのは4回目。過去3回はいずれも最終ラウンドで首位との差が広がっている。

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2017年8月14日のニュース