【岡崎真の目】羽生に「過去の自分を超える」という強い意志感じる

[ 2017年8月10日 08:40 ]

トロントで練習を公開した羽生
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 五輪終了後の3シーズンでさまざまな取り組みをし、次の五輪にベストなプログラムを選択するのは、近年のフィギュアスケート界のトレンドだと思う。例えば浅田真央さんがソチ五輪シーズンに「ノクターン」を選んだように、今回の羽生の選択も「あり」というのが率直な感想だ。

 特にフリーの「SEIMEI」の和風テイストは、羽生の呼吸や間合いに合っていると思う。激しい動きではない、ゆっくりとしたリズムの下で表現やジャンプに集中できるのだろう。もちろん、SPを含めた“最強コンビ”を選んだことに、五輪連覇と「過去の自分を超える」という強い意志を感じる。

 一方で、人間は過去の栄光を美化しやすいもの。世界記録を何度も更新した2季前の残像で「以前のものほどのインパクトがない」というジャッジを受ける可能性はなくはない。ただし、4回転ジャンプの本数を増やすなど改良点はあるはずで、それほど心配する必要はないのではないか。万が一、評価が高まらない場合でも羽生ほどの能力があれば、一つのプログラムに固執せず、五輪シーズン途中でも新たなものを投入できると思う。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2017年8月10日のニュース