サニブラウン 日本初2種目準決勝進出!出遅れも猛追突破

[ 2017年8月9日 05:30 ]

陸上・世界選手権第4日   男子200メートル予選 ( 2017年8月8日    英ロンドン )

<世界陸上ロンドン大会4日目>男子200メートル予選、力走するサニブラウン(左)
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 男子200メートル予選に出場したサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)は20秒52の1組2着で準決勝に進んだ。100メートルに続く突破で、世界選手権で日本選手がこの2種目で準決勝に進出するのは初めて。7組で走った飯塚翔太(26=ミズノ)は予選落ちの順位から一転、失格者が出て繰り上がりで準決勝へ進んだ。

 「やらかしました」の悪夢を払しょくした。100メートル準決勝では、つまずいて敗れ、男子マラソン谷口浩美の「こけちゃいました」に匹敵する名言?を残したサニブラウンが再出発した。

 スタートの反応速度は0秒221と1組の7選手で最も遅かった。走った48人でも下から5番目の遅さ。カーブを抜けて直線に入っても4番手前後にとどまり「やばい、と思った」。だが、ここで火が付いた。ギアを上げ、最後はもがくように駆け込み、ブレーク(ジャマイカ)に次ぐ2着。「各組上位3人」をクリアした。

 「後半、若干無理する形になったけど(予選を)通れたので、これはこれでよかったかな」

 ロンドン競技場は連日の大入り。ここはサッカー・プレミアリーグ、ウェストハムの新ホームでもある。ガーナ人の父がサッカー好きだった影響で小1から都内のチームに入り、6年間プレー。高学年時は攻撃的MFやFWだった。4年から並行して陸上を始めたものの、走る方は「けっこう適当」。当時の陸上の指導者で、五輪2度出場の大森盛一氏(45)が「蹴る方が好きだったと思う」と語るほどだった。かつてのサッカー少年は今、スタジアムのノリのいい声援を背に躍動している。

 城西中から陸上に専念。18歳になり、今大会では100メートルと200メートルの準決勝に進む日本人初の快挙を果たした。準決勝は日本時間10日午前4時55分から。「しっかり走って決勝を決めたい」。3位になった03年末続慎吾以来のファイナリストというゴールを決めてみせる。

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2017年8月9日のニュース