【有森裕子の目】清田&安藤「忍者走り」だけではなく腕使う走りも必要

[ 2017年8月8日 07:30 ]

陸上・世界選手権第3日 女子マラソン ( 2017年8月6日    英ロンドン )

女子マラソン、ゴールする清田
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 清田はレースの位置取りも悪くなかったし、冷静さと積極性を兼ね備えたいい走りをしたと思う。普段から練習量も多く、体幹もしっかりしている。ただ、最後の勝負どころで上体が完全に立ってしまったために粘りきれなかったのが残念だった。

 腕をだらっと下げる「忍者走り」自体は悪くない。しかし、終盤にバテて足が動かなくなった時は、体を前傾させて腕の力で引っ張ることも必要だ。「忍者走り」では前傾姿勢が取れない。肘から下は確かに振れていたが、もっと肩から動かさないとストライドは伸びないし、前へ進む推進力も生まれない。終盤の勝負どころまでは「忍者走り」で、いざとなったら腕を大きく振って上体の力で走る。両方の走りができればもう一段階上の戦い方ができるのではないかと感じた。

 清田も安藤も3年後が楽しみであることには変わりはない。今回の経験をぜひ次のレースに生かしてほしい。 (五輪連続メダリスト)

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2017年8月8日のニュース