日韓定期戦“暴れん坊将軍”がチーム最多8得点 東京五輪への「第一歩を踏めたと思う」

[ 2017年7月29日 19:35 ]

ハンドボールの日韓定期戦で、チーム最多の8得点を決めた日本代表の徳田新之介
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 “暴れん坊将軍”の活躍でライバルに引き分けた!ハンドボールの日韓定期戦2017が29日、東京都世田谷区の駒沢体育館で行われ、アイスランド出身のダグル・シグルドソン監督の初采配となった男子日本代表は韓国に28―28で引き分けた。日韓戦の通算成績は日本の56戦13勝3分け40敗となった。

 日本は1点を追う残り21秒、タイムアウトからの再開でゴールキーパーの代わりにフィールドプレーヤーを入れる7人攻撃の賭けに出ると、残り4秒で右サイドから渡部仁(トヨタ車体)が値千金の同点ゴール。昨年のアジア選手権で勝利するまで、引き分け2つをはさみ30連敗したライバルに引き分け、シグルドソン監督は「われわれにとっては、とてもいい結果だ」と話した。

 チーム最多の8得点をマークしたのが、18人の代表メンバーに3人入った現役大学生の1人、徳田新之介(筑波大)。新監督を迎えて大型化が進んだチームにあって、身長1メートル78は下から3番目の低さだが、クイックシュートなどタイミングをずらす技術を駆使してゴールを量産した。今年1月の世界選手権(フランス)でもチーム得点王となったが、フィジカルの差を痛感。その分を技術で補おうと重ねた練習の成果を発揮し、「勝ちにいったので引き分けは悔しいが、新しい監督にもなり(20年東京五輪への)第一歩を踏めたと思う。クイックは意識して練習してきた」と話した。

 かつてテレビ朝日で放映された時代劇「暴れん坊将軍」の主役である江戸幕府八代将軍・徳川吉宗が、市井(しせい)で扮(ふん)する貧乏旗本の名前が、一字違いの「徳田新之助」。少年時代から「言われたことはあります。特に年配の方には“暴れん坊将軍になってね”と言われました」。両親も人気を博した時代劇からインスピレーションを得て、愛息を「新之介」と名付けたという。本人も「(名前を)覚えてもらえるので、凄く気に入っています」とニッコリ。試合中は得点のたび、場内アナウンサーが「とくだ〜」の呼びかけ、ファンが「しんのすけー!」と大発声。徳田もスタンドに手を上げて応えた。

 1988年のソウル五輪を最後に、五輪出場が途絶えている男子日本代表だが、2020年東京大会は開催国枠で32年ぶりの出場が決定している。人事を巡る日本協会の内紛が発覚したのが記憶に新しいハンドボール界だが、暴れん坊将軍を先頭に明るいニュースを届けていく。

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2017年7月29日のニュース