【林享の目】銀の大橋 平泳ぎ改善、動きに無駄なく抵抗減った

[ 2017年7月26日 09:10 ]

水泳世界選手権第11日 ( 2017年7月24日    ハンガリー・ブタペスト )

世界選手権女子200メートル個人メドレー決勝 全体トップだったラストの大橋の自由形
Photo By 共同

 大橋の決勝で最も目を引いたのは、平泳ぎの改善だ。日本選手権と比較すると他の泳法もタイムを短縮したが、平泳ぎだけで0・8秒縮め、平泳ぎを得意とする今井より速かった。本来、キックの強さで推進力を得るタイプだが、この日はプル(腕のかき)が力強く、上半身の上下動に無駄がないため抵抗が少なかった。北島康介らを育てた平井伯昌コーチの指導によるものだと思う。

 1メートル73と長身だが、細身。本来なら筋力アップを目指すのだろうが、この細身が水の抵抗を少なくしており、大橋の特長となっている。昨年のインカレで好タイムを出したように、リオデジャネイロ五輪出場を逃した悔しさもいい方向に働いているのだと思う。

 400メートル個人メドレーは今季の世界ランク1位で、初出場の中でも重圧はあったと思う。しかし、同じ東洋大には五輪金メダリストの萩野公介という存在があり、精神的にはリラックスして大会に臨めているのかもしれない。得意の400メートルまで時間が開くが、調整がうまくいけば大いに期待できると思う。

 注目された池江は、積極的なレースができなかった。準決勝は前半26秒台だったのに対し、決勝は27秒台。前日のリレーでタイムが伸びず、精神的にやや不安があったのかもしれない。今後も重要なレースが続くはずなので、立て直すという経験を積んで欲しい。(92年バルセロナ五輪男子100メートル平泳ぎ4位、東海学園大水泳部監督)

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2017年7月26日のニュース