新種目で夢の五輪へ 矢野に聞く「アスリート人生の集大成」

[ 2017年7月24日 09:11 ]

東京五輪あと3年 なぜ?一流の肩書捨て夢追う転向アスリート

3人制バスケで東京五輪を目指す矢野
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 3人制バスケットに転向した元バスケットボール女子日本代表の矢野良子(38)に転向の理由や東京五輪への思いを聞いた。

 ――3人制転向のきっかけは?

 もともと男子の3人制を見たり、イベントに参加したりして、楽しそうだと思っていました。当初はリオ五輪の種目になるかもしれないという話を聞いて「入るならやりたい」と。その後、東京五輪には入るんじゃないかとなって、心が固まりました。(転向発表直後に五輪種目採用が決定し)たまたまですけど、いいタイミングでした。

 ――五輪への思いは?

 アテネ五輪の時には(1次リーグ最終戦のギリシャ戦で)自分のシュートが入っていれば決勝トーナメントに上がれたのに、外して上がれなかった。そこからもう1度五輪に出て、決勝トーナメントで戦いたいとずっと思っていました。北京、ロンドンと最終予選の代表に呼んでもらったけれど、五輪には行けなかった。リオは若手が行ったけれど、自分は夢をあきらめたわけじゃない。3人制で五輪を目指せるのなら目指そうと思いました。自分のアスリート人生の集大成です。

 ――5人制と両立する考えは?

 当初はWリーグと両立できればいいと考えていました。でも試合日程が重なるところがある。ランキングを上げるには3人制の試合に出ないといけない。5人制に未練がないとか、やりきったとは思っていませんが、3人制でプレーすると決めたほうがスッキリする。

 ――6月のW杯(フランス)に出場して

 試合やルールに慣れながらのプレーでした。5人制と決定的に違うのは審判の笛が鳴らないこと。ちょっとつかまれようが、当たられようが、シュートを決めないといけない。フィジカルの強さが求められます。1勝だけでしたが、できたこともありました。5人制と同じで、足を使って、シュートの精度を追求してけば、小さい日本も勝てると思います。

 ――アウトサイドシュートが得意で、当たりにも強い矢野選手には適性がある?

 勝手な意見ですけど、向いてる部分はあると思います。それにガチな感じがおもいしろいし、好き。5人制はよりチームプレーが求められるけれど、3人制は1対1の要素が強い。人数が少ない分、自分の考え、読む力、技術の駆け引きが大事になる。

 ――3人制の環境面は?

 3人制1本でプレーするのは私1人しかいない。W杯に出た他のメンバーもみんな働いている。これから試合に出るにも、(4人編成のチームを組むため)3人を探さないといけない。今は練習場所も確保されているわけではない。当面は男子のクラブチームで練習させてもらう予定です。めちゃくちゃ大変です。ゼロというかマイナスからスタートですけど、それも自分で選んだこと。

 ――選手集めは?

 今回五輪の種目になったことで、プレーしたいという選手は増えると思ます。選手が増えてくれば、競い合いも激しくなるだろうし、レベルが上がる。今はWリーグを引退した選手に声をかけています。関心を持っている方は8、9人います。

 ――20年東京五輪まであと3年

 3年ではなく、この1年半の勝負。そのうちに選手集めや環境面ですべての準備を終えておかないときつい。

 ――20年東京五輪の目標は?

 まだ出場チーム数が8なのか12なのか、開催国枠があるかどうかもわからない。もし開催国枠がもらえたとしても、自分たちで獲りに行くつもりで準備しないといけないと思う。せっかく地元開催で多くのお客さんに見てもらえるのに、みすぼらしい試合はしたくない。

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