横審 2場所連続途中休場の稀勢の里に苦言 秋場所全休でも「万全で」

[ 2017年7月24日 19:28 ]

横綱・稀勢の里
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 横綱審議委員会(横審)は24日、東京・両国国技館で定例の会合を開き、2場所連続途中休場の稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)、鶴竜(31=井筒部屋)の両横綱に苦言が出た。

 左上腕などに不安を抱えながら名古屋場所に出場した稀勢の里は5日目の勢戦で左足首を負傷。「左足関節じん帯損傷で約3週間の安静加療を要する」との診断書を提出して6日目から休場した。横審の北村正任委員長(毎日新聞名誉顧問)は「今場所のケガと先場所、先々場所のケガはつながりがあると思う。ケガをしたのは万全でないから」と述べた上で「しっかり体を治して、万全で出てきてほしい。そうならなければ(9月の秋場所を)休んでいい。(委員の)大多数がそうだった」と説明した。都倉俊一委員(作曲家)は「9月は休んで九州で出てきて、(今年の)有終の美を飾ってほしい」と話した。

 横審では夏場所後の会合でも「万全になるまで休むべき」という意見が出たが、結果的に2場所連続途中休場となった。北村委員長は「私が思うに、(横綱は)客観的に自分の状況をみて、周りの状況をみて、そして横綱として出られるか判断する。その判断が甘かった。ファンの期待に応えようという責任感に押されて、ちょっと甘くなった」と分析した。

 右足首のじん帯損傷で途中休場した鶴竜は、今年の4場所で3場所が途中休場。北村委員長は「今の段階で(進退について)何か言うべきという意見はなかった。ただ、このままでは問題になるというのはあった。横綱はケガをしないことも求められる。それからすると、これだけ休むのは問題」と奮起を求めた。

 通算最多勝を更新し、39度目の優勝を飾った横綱・白鵬(32=宮城野部屋)については「(通算勝利は)これから先、誰も敗れないと思う。まだまだ伸びるわけで大変な偉業」と称賛。横審は白鵬が史上2位の63連勝を達成した際に特別表彰しているが、「今回も出した方がいい」と再び表彰して記念品を贈呈する見通しとなった。

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2017年7月24日のニュース