御嶽、白鵬止め新関脇勝ち越し 観戦真央さんの前で座布団舞う

[ 2017年7月20日 05:30 ]

大相撲名古屋場所11日目 ( 2017年7月19日    愛知県体育館 )

御嶽海(右)は寄り切りで白鵬を破る
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 注目の一番で波乱が起きた。関脇・御嶽海が結びの一番で、唯一の全勝、横綱・白鵬を寄り切って勝ち越しを決めた。初日の稀勢の里に続き、今場所2人目の横綱撃破となった。白鵬は元大関・魁皇(現浅香山親方)に並ぶ史上1位、通算1047勝到達が持ち越しとなった。

 座布団が乱舞した。御嶽海が、史上最多タイとなる通算1047勝目を狙った白鵬を撃破。元フィギュアスケート選手の浅田真央さんや小塚崇彦氏も駆けつけ、大記録達成に注目が集まる中、勝ち名乗りを受けた。

 「絶対、気持ちだけは負けないようにと。それが白星につながった」

 立ち合いで左頬を張られたが冷静に対処。相手の開いた右脇に左腕をねじ込んで左四つになった。「初めて対戦したときも左四つ。それが頭をよぎった」。過去の経験を生かし、右上手を取ると休まずに振った。慌てた横綱が外掛けにきて、体が伸びたところを寄り切った。

 これで稀勢の里、日馬富士、鶴竜と現役4横綱を全て“制覇”。「一番うれしいですよ」と最後の壁を越えたことを素直に喜び、八角理事長(元横綱・北勝海)も「大殊勲ですよ」と称賛した。

 百戦錬磨の横綱以上に落ち着いていた。仕切り線を挟んで、「(普段と)ちょっと違う、と。思い込みかもしれないけど」。横綱の緊張感まで感じ取れるメンタルの強さは、最大の武器だ。琴奨菊と対戦した9日目には、立ち合いで変化して勝ち、場内からはブーイングを浴びた。しかし「ヤジを飛ばしたければ、飛ばせばいい。それでファンが減るとしても、仕方がない」と言い切る。勝つ確率の高い相撲を続ける“オレ流相撲”にはブレがない。

 これで首位・白鵬とは2差。総獲得懸賞もこの日の34本を加えて151本と、白鵬に次ぐ単独2位に浮上。1強ムードに待ったをかけ、好角家の注目を横綱の個人記録から優勝争いにシフトさせる。

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