高安の父・栄二さん 息子の立派な語り口に誇らしさと寂しさ

[ 2017年7月13日 08:20 ]

高安新大関場所 名古屋の変(4)

御嶽海(左)の顔面を押して攻める高安
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 波乱の幕開けとなった名古屋場所。新大関・高安も例外ではなかった。北勝富士に研究されて、初日で全勝優勝の目標は砕けたが、2日目以降はしっかり立て直した。地元の茨城県土浦市で見守っている父・栄二さんも流れに乗り始めた大関を今は楽観視している。

 両親は夏場所後の大関昇進伝達式や昇進パーティーに出席。栄二さんはその時の高安について「いつも淡々とした話し方は変わらないですね。静かに今までと同じ話し方」と振り返る。肝の据わった精神面は新大関の強み。父は「臆することなく他の関取よりも自信がにじみ出ている」と目を細める。

 遅咲きの高安だが志は高い。父は「無理なく勝てるような力強い相撲が毎場所取れれば自然と上にいくと思います」とさらなる高みを期待しつつ、入門時に脱走を繰り返した当時も忘れていない。それだけに「昔のことを考えれば、今は少し距離が離れてしまったかな」と笑う。稀勢の里が連覇を達成した時、母・萩原裕美子さんは「私一人が独り占めするというわけにはいかなくなりました」と言った。そんな複雑な気持ちを高安家もまた感じているのだろうか。 (相撲取材班)

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2017年7月13日のニュース