帰ってきた侍指揮官が大和魂注入!元祖サムライジャパンの復権に期待

[ 2017年7月12日 13:28 ]

6月に行われた記者会見で記念撮影に応じる(左から)狩野真美、アンソニー・ファリー女子新監督、シークフリート・アイクマン男子新監督、三谷元騎
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 日本には2つの「サムライジャパン」が共存していることをご存じだろうか。大多数が思い浮かべるのは野球日本代表の「侍ジャパン」だろう。もう一つはというと、スティックという刀を構えるホッケー男子日本代表の「サムライジャパン」だ。

 野球が最初のように感じるが、先にホッケーが「サムライジャパン」と名付けていた。08年3月、日本協会が「さむらいジャパン」(当初はひらがな)の愛称を決め、商標登録もした。その8カ月後に野球のWBC日本代表の愛称が「侍ジャパン」に決定。理事の一部からは反発もあったというが「知名度で及ばないから仕方ない」という結論で落ち着いたという、なんともいえない経緯がある。

 現段階では野球に“侍”の座を奪われているホッケー男子代表。その男子チームを2020年の東京五輪までに強化するため、黒船に乗ったサムライが“再来日”した。

 シギ・アイクマン監督だ。6年前にも代表監督を務めていたので、懐かしく思うホッケーファンもいるのではないか。成績不振という理由で解任されたが、現場からその指導力に対する評価は高く、日本を知っているという点も考慮されて異例の再登板となった。

 そのアイクマン監督。就任会見で「選手たちは武士道を理解し、決して諦めないこと。栄誉ある気持ちを持って戦うこと」と選手に求めた。特に「武士道」や「大和魂」というフレーズを盛んに使ってチーム方針を説明する姿が強く印象に残った。新渡戸稲造の著書「武士道」を読んでいるのかは定かではないが、まさに「ラストサムライ」だ。

 協会関係者によると、一度監督を経験したことで日本文化にも精通していることも就任の一因になったのだという。くしくも、アイクマン監督は、侍名称騒動後の09年5月に代表監督に就任していたことも因縁めいている。

 選手たちも、当時のアイクマン監督の指導により手応えをつかんでいたということで、再登板に好意的。これから徐々にアイクマン式大和魂が注入されていくことだろう。

 男子代表は68年メキシコ五輪以来、五輪出場からは遠ざかっている。3年間で新指揮官のもと、武士道をたたき込まれた“元祖サムライジャパン”の復権に期待したい。(河西 崇)

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2017年7月12日のニュース