激闘制したミュラー 勝因はナダルのごっつんこ?

[ 2017年7月11日 07:33 ]

テニス ウィンブルドン選手権第7日 男子シングルス4回戦   ミュラー3―2ナダル ( 2017年7月10日    英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

フルセットの死闘を称え合うナダル(左)とミュラー(AP)
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 遅咲きの34歳がウィンブルドン初の8強入りを決めた。最終セットの第10ゲームで最初のマッチポイントをつかんでから約1時間30分後。ミュラー(ルクセンブルク)は第28ゲームで訪れた5本目のマッチポイントで決着をつけ、コートに立ち尽くした。

 「とにかくホッとした。マッチポイントを逃すたびに観客の歓声がすごかったし、ここで終わらせないと翌日に順延になりそうだった。決着がついてよかった」と粘るナダルを振り切って、陣営に向かって小さく笑みを浮かべた。

 コートに入る前にはちょっとしたハプニングがあった。通路で飛び上がったナダルがドアのフレームに頭をぶつけた。「音が聞こえて振り返ったら彼は笑っていた」と2人で笑い合ってから入場。「最初の2セットを簡単に取れたのはあのおかげかもね。少し頭がクラクラしてたのかも」と冗談めかして振り返った。

 もちろんそれが理由ではない。今年1月にツアー初優勝を飾り、先月にも芝の大会でツアー2勝目を挙げた。今大会までの今季芝戦績は10勝1敗で、これはツアー最多だった。ランキングは34歳にして自己最高を更新中だ。

 13年に左肘を痛め、シーズン後半を棒に振った。ラケットも触れなかった間に徹底的にフィジカルを鍛え直した。「14年に復帰してからはケガなくシーズンを送れている。フィジカルに自信があることで、いろんなことが変わってきた」。4大大会での8強入りは08年全米以来2度目。12日予定のチリッチ(クロアチア)との準々決勝に向けても「1日休めば疲れは抜けるはず」と自信をのぞかせた。

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2017年7月11日のニュース