高安 新大関1勝、攻め貫く 初賜杯へ「ペース上げていく」

[ 2017年7月11日 05:30 ]

大相撲名古屋場所2日目 ( 2017年7月10日    愛知県体育館 )

勢(右)を寄り切りで破った高安
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 新大関・高安が初勝利を挙げた。平幕の勢戦は立ち合いで圧力をかけてから左を差し、休まずに出て寄り切り。初日の黒星を引きずらずに、攻めの意識を貫いて結果を出した。2場所連続黒星発進となった横綱・稀勢の里は初顔の平幕・貴景勝を右からの突き落としで退けた。横綱・日馬富士は平幕・正代に敗れ、横綱昇進後は初の連敗スタートとなった。

 真っ向からぶつかり、正々堂々と白星をもぎ取った。大関となって初めて受ける勝ち名乗り。高ぶる様子もなく、支度部屋に戻っても至って冷静だった。ホッとしたかと聞かれると「千秋楽まで取り終えるまで。ホッとできない」と勝利の喜びをかみ締めることはなかった。

 土俵上でも落ち着いていた。代名詞になりつつある右のかち上げで勢の体勢を起こすと、すぐに左を差した。相手が右に回り込んだところで一気に出て、3秒あまりで勝負をつけた。「踏み込めたかと思う。うまく中に入れたし、しっかりついていくことができた。よかった」と振り返った。

 新大関の初日は防戦を強いられて大関初挑戦の北勝富士に土をつけられた。「取組を見なくても敗因は分かる」と、その敗戦をしっかり受け止めて大関初勝利につなげた。この日の朝稽古後は「攻める姿勢を考え直す」と話し、その言葉をすぐに実践した。格下が相手でも受けるのではなく、先場所までのように積極的に攻めた。大関昇進伝達式の口上で使った「正々堂々」の言葉通りの相撲だった。

 場所前は兄弟子の稀勢の里と100番近く相撲を取り、勝ち越す日もあるなど順調な調整となった。「調子が悪いわけではない。あとは気持ちの問題。今日勝てたので、明日も前向きに取り組みたい。ここからペースを上げていきたい」。昭和以降、新大関場所の初日黒星から優勝した力士はいないが、高安は可能性がある限り、初優勝を目指していく。

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2017年7月11日のニュース