大坂“新幹線”初出場で聖地1勝、サーブ武器にストレート発進

[ 2017年7月5日 05:30 ]

テニス ウィンブルドン選手権第1日 女子シングルス1回戦   大坂2―0ソリベストルモ ( 2017年7月3日    英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

聖地ウィンブルドンでのデビュー戦を白星で飾った大坂なおみ
Photo By 共同

 女子シングルス1回戦で世界ランキング59位の大坂なおみ(19=日清食品)が、世界100位のサラ・ソリベストルモ(20=スペイン)に6―3、7―6でストレート勝ちを収めた。昨年の大会は膝のケガで欠場したが、パワーヒッターが生きる聖地でのデビュー戦を白星で飾った。男子シングルスの錦織圭(27=日清食品)は、5日の2回戦でセルジー・スタホフスキー(31=ウクライナ)と対戦する。

 苦しくたって、悲しくたって、コートの中では平気なはず。だけどまだ19歳の女の子。涙が出ちゃうこともある。

 「泣くな!」

 第2セット6―5で迎えた第12ゲーム。マッチポイントを生かせずにサービスゲームを落とし、タイブレークに持ち込まれた。がっくり落ち込む大坂に誰かが声援を送った。

 「泣きたかったけど、誰かが叫んだのが聞こえて泣かないで済んだ」。平静を取り戻せば、ビッグサーブを持つ大坂の方がタイブレークでは有利。79分を費やした第2セットも競り勝って、記念すべきウィンブルドン初勝利を挙げた。

 球足が速く、ボールが弾まないためにビッグサーブが生きる芝コート。この日のサービスエースは相手の7本を下回る3本にとどまった。その代わりに第1サーブの確率は68%と高い数字をキープ。むやみに威力を求めるのでなく、精度を高めることで持ち味を生かした。

 周囲からは芝との相性の良さを言われ続けてきたが、昨年は膝のケガで出場がかなわなかった。聖地の印象は「初めて来たし、まだスペシャルとは思えない」と本音を漏らしつつ「パワーのある選手にはいいコート。経験を積んでいけば自分もいいプレーができる」と芝での戦いには手応えを得た。

 2回戦で対戦する世界23位のバルボラ・ストリコバ(31=チェコ)には、何度か練習するうちに「新幹線」というあだ名をつけられたという。「どうしてか理由は知らないけど、クールだからいいかな」とまんざらでもない顔。日本を代表する列車の名前は大坂も気に入ったようだ。

 今季は4月に腹筋を痛め、5大会連続で初戦敗退を喫するなど徐行運転が続いていた。しかし、今年の全仏オープンでは前年の1回戦で勝った同年代のオスタペンコ(20=ラトビア)が優勝。「自分にもできると自信を与えてくれた」と刺激を受けた。聖地初の特急オオサカ号。芝のコートでその“新幹線サーブ”がまだまださく裂しそうだ。

続きを表示

2017年7月5日のニュース