多田 9秒台いける「風吹いて本気で走れば」、高速走路も味方

[ 2017年7月1日 05:30 ]

陸上 西日本学生対校選手権第1日 ( 2017年6月30日    広島市・エディオンスタジアム広島 )

西日本インカレ・男子100メートル準決勝 10秒16で決勝進出を決めた多田
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 男子100メートルで8月の世界選手権(ロンドン)代表に選ばれた多田修平(21=関学大)は、追い風2・3メートルの参考記録で10秒16をマークし準決勝1組の1着となった。3週前に追い風参考記録ながら国内大会で日本人初の9秒台をマークし、1週前の日本選手権ではサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)に次ぐ2位になったホープ。1日の決勝で日本人初の公認9秒台を狙う。

 日本の頂上決戦で2位に入り世界選手権代表の座を射止めてからわずか6日。一躍、日本短距離界注目の的となった多田は早くもトラックに立っていた。

 西日本学生No・1を決める年に1度の大会。予選は30メートルで力を抜いて10秒40で楽々と通過。続く準決勝では「前半ちょっとだけ本気を出してあとは流すだけ」と得意のスタートダッシュで飛び出すと70メートル付近から右のレーンを“3度見”する余裕の走りを見せてトップで駆け抜けた。追い風参考記録になったが、10秒16と好タイムを記録。連覇が懸かる1日の決勝へ「自己ベスト(10秒08)を出せればいいし、最低でも10秒0台で走りたい」と闘志を燃やした。

 5強(サニブラウン、多田、ケンブリッジ、桐生、山県)で代表枠3を争った日本選手権の影響で「疲労はある」と明かす。その後の練習では走り込みは行わず、ストレッチなどをメインに調整。それでも、今大会に出場したのは大学として67年ぶりの連覇が懸かっているからだ。

 関学大陸上部の竹原純一監督は多田の様子を「代表になっても変わらずわいわいやっている。ムードメーカー」と説明した上で、性格について「ずぶとい。しっかりしてます」と抜群の信頼を置く。この日の男子400メートルリレー予選は疲労のためさすがに欠場したが、1日の同決勝は2走として起用し、こちらも連覇を狙う予定だ。

 3週前に追い風参考ながら9秒台を出して勢いづいた21歳は日本人初の公認9秒台へ「風が吹いて本気で走れば出る」と豪語。日本随一の高速トラックと呼ばれる広島の地で決めても何ら不思議ではない。

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