稀勢 名古屋入り後初稽古、高安におっつけ 左上腕問題なし

[ 2017年6月28日 05:30 ]

名古屋場所に向け、本格的に始動した横綱稀勢の里(左)と新大関高安
Photo By 共同

 左上腕などの負傷で5月の夏場所を途中休場した横綱・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)は27日、愛知県長久手市の同部屋で名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)に向けて名古屋入りしてから初めての稽古を行った。新大関・高安(27)を相手に連続して15番取って9勝6敗。得意の左おっつけも出すなど、復活に向けて上々の稽古再開となった。

 本格始動で力強さを見せた。新大関・高安を相手に約25分かけて15番。まわしを引けずに土俵を割ったり投げで転がされる場面もあったが、最後は3連勝で締めて9勝6敗。得意の左おっつけで高安を後ろ向きにさせるなど、左上腕の負傷は全く感じさせなかった。

 「徐々に良くなっている。高安とやれるのは、(先場所よりも)だいぶ上がってきている」。春場所で左上腕などを痛めたことで、夏場所前は高安との稽古ができなかった。負傷後に新大関に昇進した弟弟子と胸を合わせたのは今月16日が初めて。それ以来の高安との稽古で、一定の手応えをつかんだ。

 夏場所後の横綱審議委員会では、ケガが完治するまで休んだ方がいいという声も出た。だが、土俵に上がることが使命と考える横綱は「休んで(ケガが)良くなるなら休みたい。今は最善のことをする」と稽古で調子を上げていくことしか考えていない。復活を目指す名古屋場所に向けて「しっかりやるだけ。毎日毎日稽古することが大事」と話し、調整のポイントについては「しっかり体を絞ってやれれば。あとは切れ味と感覚が戻れば面白い」とみている。

 午後からは力士代表として名古屋場所担当部長の出羽海親方(元幕内・小城ノ花)らと大村秀章愛知県知事、河村たかし名古屋市長を表敬訪問。2人とは着物姿のまま相撲を取り、左をのぞかせてからの右突き落としで転がした。河村市長からは「日本の期待の星」と激励を受けた。期待に応える結果を出すため、国民的横綱は鍛錬を続けていく。

続きを表示

2017年6月28日のニュース