【高野進の目】男子400リレー バトンパス完璧なら金の可能性

[ 2017年6月27日 08:30 ]

世界選手権代表発表

世界陸上代表選手発表会見の取材対応を終えて引き揚げるサニブラウン
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 桐生はリレーメンバーに選ばれて当然と言える。昨年のリオ五輪では他国の3走と比べて最も速いタイムで走っており、銀メダル獲得の立役者となった。3走はバトンの受け渡しやコーナーの技術が要求されるため、経験値として考えれば桐生は日本の柱として必ずや必要な存在となる。

 勢いのある若手2人が加わったことで、チームジャパンとしての生き残りを懸けた争いが始まる。サニブラウンの後半の伸びはアンカーで最後に競ったときの強みとなるし、多田のスタートダッシュは1走として魅力的だ。リレーメンバーに選ばれるために選手同士でも切磋琢磨(せっさたくま)するはず。リオ五輪銀メダリストによる鉄板メンバーが崩れることは、日本にとってはいいことだ。

 世界は甘くはないが、今のメンバーで昨年のリオの時のようなバトンパスワークができれば金メダルの可能性はゼロではない。ジャマイカや米国から“金星”を狙うつもりで練習に励んでほしい。 (男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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2017年6月27日のニュース