内村 離れ技5発の新構成完遂 観客に「もっと拍手を」

[ 2017年6月26日 05:30 ]

体操全日本種目別選手権 最終日 ( 2017年6月25日    群馬・高崎アリーナ )

多くの観客が見つめる中、ダイナミックな演技を披露する内村
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 内村航平(28=リンガーハット)が、鉄棒で離れ技5発の新構成を完遂した。15・750点のハイスコアをマークして2年連続4度目の優勝。ダイナミックな演技で観衆を魅了するだけでなく、既に代表に決まっている世界選手権(10月、カナダ・モントリオール)に向け確かな手応えをつかんだ。床運動は白井健三(20=日体大)が5連覇、女子は同選手権の代表が出そろった。

 プロ選手として、体操の美しさや凄さを伝えるだけでは飽き足りない。素晴らしい演技を目の前で見た時、観衆はどんなリアクションを取ればいいのか。体操初開催の高崎アリーナ。鉄棒の演技を終えた内村は、何度も両腕を振り上げ、ファンをあおった。もっと拍手を、もっと歓声を。それがパフォーマンスに込められたメッセージだ。

 「初めて見にくる人もたくさんいる。体操って演技が終わった後に僕たちも求めていますよ、とそういうのを教える意味でやった」

 今季からのルール変更で可能になった離れ技5発の構成。難度を示すDスコアは今季の過去2大会と比べ0・6点も上がった。屈伸コバチをつかみ、G難度のカッシーナとE難度のコールマンを連続で実施、ゲイロード2、ヤマワキと成功すると着地もピタリ。キングが「離れ技が多いとかっこいいでしょ」と不敵に笑えば、佐藤寛朗コーチも「鳥肌が立った」と振り返った。

 あん馬もDスコアを0・2点上げ、予選と決勝でミスなくまとめた。今季初戦だった4月の全日本選手権とは比較にならないほど、状態は上がっている。「体の切れが戻ってきた」と内村。個人総合で7連覇が懸かる世界選手権でも鉄棒は連続離れ技を組み込み、あん馬を含めた他の種目でDスコアを上げる予定という。「いろいろ試すことができて、収穫が多い大会だった」。五輪連覇など全ての栄誉を手にしてもなお、キングは前進を続ける。

 ▼男子の世界選手権代表選考 5月のNHK杯で個人総合の内村と白井は代表に決定。残る枠は最大4で、4月の全日本予選、NHK杯、全日本種目別の予選、決勝で最高点をマークした選手(内村と白井を除く)と全日本種目別の優勝者が代表候補に。強化合宿を経て、日本協会が独自に設定する各種目の世界ランク上位選手が9月上旬に決定する。

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