タダものじゃない 多田、誕生日に2位死守し世界切符グイッ

[ 2017年6月25日 05:30 ]

陸上日本選手権第2日 男子100m ( 2017年6月24日    大阪・ヤンマースタジアム長居 )

サニブラウン(右)を追走する多田修平
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 やはりただ者ではなかった。初の決勝でも売り出し中の多田の思い切りの良さは変わらない。「真っすぐ前だけを見た。自分の走りを貫きたかった」と10秒16で2位を死守。優勝こそ逃したが桐生やケンブリッジら強敵を抑え込んだ。

 今季急成長した一因がスタートの改良だ。2月からの米国合宿で前世界記録保持者のアサファ・パウエルらと練習し、前に倒れるようなフォームや脚の運びの無駄を指摘された。「(足を)つく時にあらかじめ視点を前に向けて腰が入るように。1歩目が早く出るように」と自分なりに消化して武器を磨いた。この日のスタートの反応速度は桐生の0秒131に次ぐ0秒140をマークした。

 初の世界選手権出場を確実とした一方、悔しさも残った。「五輪代表の3人に勝ったけど、ダークホースのサニブラウンに負けたのは悔しい」。課題は後半の走り。「後半が弱い。もっと筋力をつけないとダメ。体重も軽いし」と今後は現在66キロの体重を増やしながらパワーアップするつもりだ。

 この日は21歳の誕生日で「いい思い出になった」と笑った。今月10日の日本学生個人選手権では追い風参考ながら9秒94をマーク。一躍、シンデレラボーイとなった男は、次の世界での戦いでも再び旋風を巻き起こす。

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2017年6月25日のニュース