錦織 今季芝初戦で逆転勝ち 松山の活躍が大きな刺激に

[ 2017年6月21日 05:30 ]

テニス ゲリー・ウェバー・オープン 男子シングルス1回戦   錦織圭2-1ベルダスコ ( 2017年6月20日    ドイツ・ハレ )

ゲリー・ウェバーOPで初戦突破した錦織圭(AP)
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 世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)が芝シーズンの初戦を逆転勝ちで飾った。シングルス1回戦で世界34位のフェルナンド・ベルダスコ(33=スペイン)に6―7、6―3、6―4で勝利。7月3日に開幕する4大大会のウィンブルドンの前哨戦だけに、今大会はベルダスコと組んでダブルスにも出場して芝の感覚を取り戻す。全米オープンで2位と大活躍したゴルフの松山英樹(25=LEXUS)も観戦に訪れる予定のウィンブルドンに備え、できる限りの準備を整える。

 明日の友は今日の敵。くしくもダブルスを組むベルダスコと対戦した1回戦。2週間前に全仏で対戦したばかりで、しかもコートは錦織が最も勝率の悪い芝に替わった。その結果が2時間24分の接戦となって表れた。

 「毎年芝コートでのプレーは挑戦。チャンスが少ないので重要なポイントを取りきるのが大事になる」。球足が速く、バウンド後に高く弾まない芝は、強いサーブを持つ選手に有利に働く。第1セットはベルダスコの第1サーブが82%と好調で競り負けた。

 第2セットに入ると52%まで落ちた相手のサーブを攻めて、2度のブレークに成功した。「諦めずにプレーできたのが勝因。2セット目から徐々に良くなった」と最終セットも毎ゲームのようにブレークポイントを握り、終盤には腰などのマッサージを受けて動きの鈍った相手を振り切った。

 「凄いとしか言いようがない。もうちょっと(彼の)凄さをみんなに伝えてほしい」。会見では全米オープンで青木功に並ぶ日本人最高の2位となり、世界ランクも2位となった松山の活躍を絶賛した。以前から「よくニュースは見ている。個人的に凄く近いものを感じる。海外で同じように戦って、境遇やランキングも近い」と語っており、昨オフにはテレビの対談企画で初対面を果たした。

 世界的な知名度を誇る日本のトップアスリート同士。錦織は「テニス、ゴルフはまだ日本で1、2位のスポーツに入っていない」と話し、「もう少し(文化として)浸透してくれたら」とあらためて願った。それぞれの地平を開拓し続けるトップランナーとして、松山はライバルであり、同志でもあるのかもしれない。

 松山は7月6日開幕のアイルランド・オープンに出場後、全英前にウィンブルドンを観戦する予定でいる。錦織は4回戦以上まで勝ち残らなければ、聖地で戦う姿は見せられない。そのためにも芝の感覚を磨き、ケガなく終えること。この前哨戦ではそれが最大のテーマとなる。

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