ウォリアーズ2年ぶり5度目V キャブスに4勝1敗 デュラントがファイナルMVP

[ 2017年6月13日 14:25 ]

ファイナルでMVPに選出されたウォリアーズのデュラント
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 NBAファイナルは12日にカリフォルニア州オークランドで第5戦を行い、地元のウォリアーズ(西地区1位)が129―120(前半71―60)で昨季覇者のキャバリアーズ(東地区2位)を下して4勝1敗。3年連続同一カードとなったファイナルで2年ぶり5度目の優勝を飾った。

 サンフランシスコを含む「ベイエリア」のホームゲームでリーグ優勝が決まったのは、米プロスポーツ界では1974年の大リーグ・ワールドシリーズでアスレチックスがドジャースに第5戦で勝って以来、43年ぶり。5試合で計176得点をマークしたケビン・デュラント(28歳)が新天地で迎えた初のファイナルでMVPに選出された。

 試合の序盤は苦戦。第1Qでは33―37とリードを許す展開となった。しかし第2Q序盤で連続15点を奪って形勢逆転。最大17点差を第4Qの出だしで3点差にまで詰め寄られたが、デュラントがこのクオーターだけで11得点を挙げて再び引き離した。

 デュラントはNBA10季目での自身初V。サンダー(前身のスーパーソニックス時代を含む)では新人王、得点王4回、シーズンMVP(2014年)など輝かしい成績を残したが、2012年のファイナルではこの日対戦したレブロン・ジェームズ(32歳)がいたヒートに1勝4敗で敗れて涙を飲んでいた。

 昨オフに9季在籍したサンダーを離れてウォリアーズへの移籍を決断した際には「安定を求めている。冒険心がない」といった批判を浴びたが、ファイナルでは堂々の活躍で雑音を封じ込めた。

 「すべてを出し切った。このチームの一員であることを誇りに思う」と悲願のトロフィーを手にしたデュラントは感無量の面持ち。生後8カ月で父が家を出たために、2つの仕事をこなしながらデュラントを含む2人の子どもを育てあげた母ワンダさん(49歳)とコートで抱き合うと、こらえていた涙がこぼれ落ちた。

 第5戦では過去2年、シーズンMVPとなったステファン・カリー(28歳)も34得点と10アシストをマーク。15年のファイナルでMVPとなったアンドレ・イグダーラ(33歳)はベンチから出て今プレーオフ自己最多の20得点を稼ぎ、土壇場では要所でキャバリアーズの追撃を断ち切った。

 昨季は3勝1敗としながら3連敗を喫してまさかの逆転負け。しかしカリーが「我々は多くのことをあの敗戦から学んだ」と語ったように、今季はその失敗を反省材料にして力強い戦いを見せた。今プレーオフは16勝1敗で勝率は・941。2001年のレイカーズ(15勝1敗=・938)を上回る史上最高勝率で、歴代覇者の中でも“頂点”に立った。

 先発陣に得点王とシーズンMVP経験者が2人、そして米国代表と球宴経験者は4人。デュラント、カリーに加え、ドレイモンド・グリーン(27歳)とクレイ・トンプソン(27歳)の“四天王”だけで年俸合計が7064万6469ドル(約77億7000万円)に達する黄金軍団は、全力でぶつかってきたキャバリアーズを最後まで寄せつけなかった。

 3年同一カードとなった今ファイナルは「TRILOGY(三部作)」と呼ばれたが、勝利で締めくくったのはウォリアーズ。本拠地オラクル・アリーナを埋め尽くした2万人のファンの歓声と拍手はしばらく鳴り止まなかった。

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