藍フィーバー 引退表明後初戦に6735人 感情制御し好発進

[ 2017年6月9日 05:30 ]

女子ゴルフツアー サントリー・レディース第1日 ( 2017年6月8日    兵庫県神戸市 六甲国際ゴルフ倶楽部=6538ヤード、パー72 )

18番、大勢のギャラリーが見つめる中、ティーショットを放つ宮里藍
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 5月29日の会見で今季限りでの引退を表明後、初戦となる宮里藍(31=サントリー)は3バーディー、1ボギーの2アンダー、70で回り22位につけた。この大会の第1日の観客動員記録を更新する6735人のギャラリーが押し寄せ“藍フィーバー”の様相を呈す中、感情をコントロールして好発進した。辻梨恵(23=大和証券)が7アンダー、65で首位に立った。

 引退表明後初のラウンドを70で終えた。宮里は「ティーグラウンドに上がったらいつも通りの自分でいれた。一日を通して淡々とやるべきことをやれた」と安堵(あんど)の表情だった。

 スタートの10番。力みなく1Wを振り抜いた。1オーバーで迎えた17番パー5のティーで、同組の上田と「そろそろエンジンかけていかないとね」と話しギアを上げた。そのホールで6メートルのパットを決めて初バーディー。2番は5メートルを沈めた。4番パー5は左ラフから残り100ヤードの3打目をPWで2メートルにつけて2アンダーとした。

 この大会の初日としては11年の4540人を大幅に更新する6735人の観客が詰めかけた。「藍ちゃん、ありがとう」の声が飛び「藍は勝つ!」と書かれた日の丸が掲げられた。最終9番グリーンには幾重にも人垣ができた。「今まで“頑張れ”という声が多かったけど今日は“ありがとう”という声が多かったのでうれしかった。9番は日曜日(最終日)にしか見たことない景色を木曜日(第1日)に見ている感じだった」。心は揺れたが一打一打に集中した。

 米ツアーでともに戦った上田とのペアリング。前日に「負けないぞ」と健闘を誓い合った。プライベートでも仲良しの後輩はラウンド中に泣きそうだった。上田はホールアウト後「私が感情的になったら迷惑をかけると思ったけど何度もやばいところがあった。彼女らしい笑顔、リアクション。本当に格好いいなと感じた」と涙を見せた。

 宮里は「(感情的になることは)一ミリもなかった」と強がる。まだ最終戦は決めていないが、一打ごとに引退は近づいている。「桃子と回るのは最後かもしれないと考えるとグッとくるものはあるけど、今は自分をコントロールすることに全力を注ぐ」と言った後「明日は自信ないけど」と本音を漏らした。

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