ウォリアーズ 北米4大スポーツ界初のプレーオフ15連勝 “不敗王者”に王手

[ 2017年6月8日 15:04 ]

ウォリアーズのデュラント(35)
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 3年連続の同一カードとなっているNBAファイナルは7日、オハイオ州クリーブランドで第3戦を行い、ウォリアーズ(西地区1位)が118―113(前半67―61)で地元のキャバリアーズ(東地区2位)を下して3戦全勝。2年ぶり5回目のファイナル制覇に王手をかけた。

 プレーオフでは単一シーズンながら15連勝を飾っており、これはNHLのペンギンズが1992年から93年の2シーズンにまたがって樹立していた14連勝を超える北米4大プロスポーツ界のプレーオフ最長記録。9日の第4戦に勝って1回戦から4シリーズ連続のスイープ(4戦全勝)を達成すると、NBA初の“不敗王者”が誕生する。

 ただし大差がついた第2戦までと違って敵地での第3戦は苦戦。前半は6点をリードして折り返したものの、第3Qは22―33とリズムを失った。第4Qも序盤から中盤にかけてキャバリアーズを追う展開。そして残り3分9秒、J・R・スミス(31歳)にこの日5本目の3点シュートを決められたところで107―113となり、流れは相手に移ったかに見えた。しかしここから相手を無得点に抑えこみ、連続11点を挙げて試合をひっくり返した。

 ファイナルに入って好調を維持しているケビン・デュラント(28歳)がチーム最多の31得点を稼ぎ、残り1分15秒から1人で7得点。ステファン・カリー(29歳)は5本の3点シュートなどで26得点をマークし、チーム最多の13リバウンドも記録してゴール下でも奮闘を見せた。クレイ・トンプソン(27歳)はカリーを上まわる6本の3点シュートで今プレーオフ自己最多の30得点をマーク。チームの3点シュート成功率は48・5%(33本中16本成功)というハイ・アベレージだった。

 デュラントはサンダー時代の2012年にファイナルに出場したが、レブロン・ジェームズ(現キャバリアーズ)のいたヒートに1勝4敗で敗退。昨オフに悲願の初優勝を目指してウォリアーズに移籍してきたが、その夢が叶うまであと1勝に迫った。

 第3戦では111―113で迎えた残り45・3秒に起死回生の3点シュートを成功。「ボールを放ったあとはいつもリングの下のネットを見ている。そこをボールが通過するのは快感だね」と“決勝シュート”に酔いしれていた。

 NBA過去9シーズンで球宴出場8回、得点王4回。新人王とシーズンMVP各1回と数々の勲章を手にしてきたが、唯一なかったのがチャンピオン・リング。しかし新天地で迎えた初年度で、未経験だった頂点に到達しようとしている。

 それでも「でもあと1勝しなければいけないんだ。まだ終わっていない。ファイナルは何が起こるかわからない」とデュラントの笑顔は控えめ。NBAのプレーオフで3勝0敗からシリーズ逆転を許したケースは皆無で、ついに“V率”100%となったが、ウォリアーズは昨季3勝1敗から3連敗を喫してキャバリアーズに敗れているだけにチーム全体にまだ緊張感が漂っている。デュラントのファイナルでの得点は初戦から38→33→31とすべてチーム最多。このまま行けばシリーズMVPも濃厚だが、第4戦ではタイトルなどを意識させない気合いの入ったプレーをすることだろう。

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