美宇は銅 世界女王に完敗、アジア選手権再現ならず「実力不足」

[ 2017年6月4日 05:30 ]

卓球世界選手権個人戦第6日 女子シングルス準決勝   平野1―4丁寧 ( 2017年6月3日    ドイツ・デュッセルドルフ )

卓球世界選手権第6日 女子シングルス準決勝 丁寧(手前)にポイントを奪われた平野
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 ハリケーンを封じ込まれた。早い打点で次々と強打を打ち込む平野の得意の形が出せない。丁寧は台上へ短いサーブを出し平野の強打を封じる作戦を徹底。2ゲームを連取され第3ゲームは世界女王の代名詞ともいえる「しゃがみ込みサーブ」を連発されて奪われた。1ゲーム返すのがやっとの完敗。最年少優勝への道は閉ざされた。

 「ラリーはけっこう自信があるが、そこにいく前に負けてしまった。相手が対策してきて、そこで負けてしまったのは実力不足」

 4月のアジア選手権で丁寧を含む中国選手を3人破って優勝した。ただし、最強国は自国開催でプライドを傷つけられて黙っていなかった。世界選手権に向けた強化合宿では背格好、プレースタイルを平野に似せた「コピー選手」を4人用意したという。「これだけマークをされたことはない。今は相手も自分をライバルだと思ってくれている」と相手の変化と自分の成長を感じ取った。

 世界大会になると目の色を変える“本気の中国”の壁は厚かった。ただし女子シングルスでは48年ぶりのメダルとなる銅を獲得した事実に変わりはない。20年東京五輪へ。この敗戦もきっと成長材料になる。

 ▽17年アジア選手権の平野 女子シングルス準々決勝で世界ランク1位の丁寧(中国)をフルゲームの末、撃破。準決勝は同2位の朱雨玲(中国)に3―0。決勝は同5位の陳夢(中国)をストレートで下し、史上最年少でアジア制覇を達成した。中国3選手を撃破したことから国際卓球連盟の公式サイトで「ハリケーン・ヒラノ」と紹介された。

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