錦織3回戦進出 全仏男子単で日本人最多13勝 最後はヒヤリ

[ 2017年6月2日 05:30 ]

テニス全仏オープン第5日 ( 2017年6月1日    パリ・ローランギャロス )

全仏オープン2回戦に登場した錦織(AP)
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 男子シングルス2回戦で世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)が、同74位のジェレミー・シャルディー(30=フランス)を6―3、6―0、7―6で下した。第1セット途中から12ゲーム連取の猛攻を見せたが、第3セットで右肩の治療を受けるなど今後に不安を残した。全仏男子シングルスで日本男子最多の佐藤次郎と並ぶ通算13勝目を挙げ、3日予定の3回戦では世界67位で韓国期待の若手、鄭現(21)と対戦する。

 赤い土ぼこりを立てて突っ走っていた錦織のエンジンが突然ブローした。ゴールまであと3ゲーム。初戦の前から痛めていたという右肩の治療でタイムアウトを取った。

 「結果から言えば、あまり良い選択ではなかった。トレーナーを呼んだせいで自分のリズムが崩れ、相手をよみがえらせてしまった」と錦織は判断ミスを認めた。第1セットの第7ゲームから12ゲームを連取。第3セットも2度のブレークに成功して3―0と瞬く間にリードを奪い、シャルディーは陥落する寸前だった。

 ところがタイムアウトで流れが変わった。変わったのは錦織の気持ちだったかもしれない。「ああいう場面でも集中力を保てるようにしたい」と反省したように、どうぞつけ込んでくださいとばかりに再開直後にダブルフォールト。第1、第2セットは4本ずつしかなかった凡ミスも増えた。猛反撃に遭い、静まり返っていた地元フランスの観客もここぞとばかりに騒いだ。

 「タイブレークを取られてもおかしくなかった。3セットで終わってホッとした」と振り返った錦織。コースアウトはしたものの、なんとか立て直してゴールイン。これで全仏7度目の出場で相手の棄権を除く男子シングルスの通算勝利数が13まで伸び、1931年と33年で4強に入った佐藤次郎の日本男子最多記録に並んだ。

 ただ、もっと楽に勝てる試合だった。「ポジティブな面は凄く多かった」とそこまでの強さが圧巻だったからこそ、不安定さも気になる試合となった。

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