遠藤 首位タイ発進に「大満足です」、スキー出身 異色の経歴

[ 2017年6月2日 05:30 ]

男子ゴルフ ツアー選手権森ビル杯第1日 ( 2017年6月1日    茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ=7384ヤード、パー71 )

18番、ティーショットを林に打ち込み舌を出す遠藤
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 ケガでスキーを断念し、ゴルフに転向した異色の経歴を持つ遠藤彰(38=S・Sテック)が6バーディー、2ボギーの67で回り首位スタートを切った。今平周吾(24=レオパレスリゾートグアム)らを含め8人が首位に並ぶのは06年サン・クロレラ・クラシック、16年RIZAP・KBCオーガスタに続いて日本ゴルフツアー機構(JGTO)発足後3度目となった。

 17番で50センチのバーディーパットを決め、単独首位で迎えた最終18番。ティーグラウンドで、自分を撮ろうと待っている大勢のカメラマンの姿を見た遠藤は「緊張して、力が入りました」と第1打を左に曲げてしまう。

 第2打もラフまでしかリカバリーできずボギー。それでも自身初体験のトーナメントリーダーに「アンダーパーはとんでもないこと。大満足です」と笑顔で振り返った。ケガの功名だ。前々週行われた下部ツアーの試合で左手首を痛め思うような練習ができず、この日もテーピングを施しプレー。「力を入れずやったのが良かった。アイアンの距離感もうまくいきました」。

 子供の頃はスキー少年だった。3歳で板を履き、中2で出場したスラロームの全国大会で2位に入る。中学卒業後カナダにスキー留学。だが17歳の時に右太腿裏のじん帯を練習中に負傷。1年かけて復帰したものの、再発の恐怖心からタイムが伸びなくなりリハビリで始めたゴルフにのめり込むようになった。

 18歳で帰国した後、福島県内のダム工事現場の土木作業員のアルバイトを経て栃木県内のゴルフ場の研修生となった。06年に27歳でプロテストに合格。それまでは順調だったが、11年のプロ生活で稼いだ生涯獲得賞金はわずか654万5265円。現在は8年前に結婚した透析専門の病院で管理栄養士を務める佳緒里夫人(45)の支えを受けながらツアーを転戦している。

 過去3度出場した今大会の成績はいずれも予選落ち。難コースの攻略が容易ではないことは十分承知している。「明日はそんなに甘くないと思います。落ち着いてできれば」と気を引き締めていた。

 ▼1位小平智 フェアウエーを外したのは2回。セカンド(第2打)もストレスなくできた。ゴルフの状態はずっといい。優勝して全英オープンに行きたい。(5バーディー、1ボギー)

 ◆遠藤 彰(えんどう・あきら)1979年(昭54)5月11日生まれの38歳。山形県長井市出身。10年下部ツアーのトーシンチャレンジで優勝。昨年のツアー出場予選会36位で今大会の出場権を得た。今季のツアー競技は今大会が初出場。ツアーの自己最高成績は13年日本プロの19位。1メートル75、77キロ。

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