高安10勝 大関手中、目安の3場所33勝到達 理事長も評価

[ 2017年5月26日 05:30 ]

大相撲夏場所12日目 ( 2017年5月25日    両国国技館 )

高安(右)は宝富士を上手投げで破る
Photo By スポニチ

 関脇・高安が10勝目を挙げて、大関昇進の目安と言われる直前3場所合計33勝をクリアした。平幕・宝富士に立ち合いのもろ手突きから右上手を取り、上手投げで退けた。横綱・白鵬は平幕・栃煌山を退けてただ一人の12戦全勝。横綱・日馬富士は平幕・貴ノ岩の休場により、不戦勝で1敗をキープした。2敗は高安、大関・照ノ富士、平幕・宇良の3人となった。

 11日目までと違う立ち合いでも、高安は勝ちきった。一貫して右からかち上げるように体をぶつけてきたが、同じ左四つの宝富士にはもろ手突きに出た。右上手をつかむと相手が出てくるところで体を開き、171キロの相手を引きずるような上手投げ。勢い余って高安も土俵下まで転がった。

 「重い力士で、踏み込ませたくなかった。上体を起こして突いていこうという狙い。考えた立ち合いだけど、呼び込んで危ない相撲だった。内容的にはよくない」。支度部屋では反省の弁が出たが、それでも負けないのが今の高安だ。初場所から3場所合計33勝。12日目までに大関昇進の目安をクリアするのは、07年名古屋場所の琴光喜以来だ。4横綱がいずれも今年に入って休場していることもあり、年間最多勝争いでは稀勢の里に並んでトップとなった。

 過去に3場所33勝で昇進できなかった力士もいるだけに、大関当確とは言い切れない。昇進を預かる審判部の二所ノ関部長(元大関・若嶋津)は「14日目の相撲を見てから」と話すにとどめた。ただ、高安の強さは誰もが認めるところ。八角理事長(元横綱・北勝海)は「内容は全く駄目だったが負けないことが大事。2桁勝ったし、力をつけている」と見ている。取組を見た藤島審判長(元大関・武双山)は「なんとなく勝っている相撲じゃない。力があるという勝ち方」と評価した。

 昇進を確実にするためにも、13日目の日馬富士戦が大一番となる。「これからの相撲人生で、大事な一番と思う。気を引き締めていく」。横綱戦は3連敗中だけに、何よりも結果を求めていく。

 場所入りの際に着る「染め抜き」は今場所から菖蒲(あやめ)が描かれているものにした。花言葉の一つ「よい便り」を現実のものとするために、高安はさらに白星を積み上げていく。

続きを表示

この記事のフォト

2017年5月26日のニュース