不振にあえぐイ・ボミ 失われたスムーズなスイングを取り戻せ

[ 2017年5月19日 11:30 ]

同組の選手がパットを沈め、笑顔で手を叩くイ・ボミ
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 15、16年に2年連続で国内女子ゴルフの賞金女王に輝いたイ・ボミ(28=韓国)が苦しんでいる。今季ここまで8試合に出場し、まだ優勝はない。昨季は開幕12試合連続でトップ10入りという驚異的な安定感を誇ったが、今季はトップ10入りが2度だけだ。3月のアクサ・レディースでは3年4カ月ぶりの予選落ち。先週のほけんの窓口レディースではカットラインに4打も届かず2度目の予選落ちを喫した。

 不振の原因は最大の武器アイアンショットにある。15年は74・588%、16年は74・4694%で1位だったパーオン率が今季は63・6574%で29位に低迷している。

 ワールドレディース・サロンパスカップの際、本人はこう語っていた。「何をしたらいいか悩みながらプレーしている。大事なのはリズムだけどインパクトの時に速くなる。バックスイングでクラブの重みを分からないのが駄目。アドレスの感じとか、打つときのタッチが悪くて。今までゴルフでこんなにたくさん意識したことはない」。

 好調時、イ・ボミのスイングはどこにインパクトがあるのか分からないほど力感がなくスムーズに体とクラブが動いていた。しかし今季はリズムが乱れ、インパクトで力んでいるように見える。そのため球が左右に曲がるミスが出ている。

 中京テレビ・ブリヂストン・レディースの開幕前日には「今週は成績よりもスイングを意識していく。今まではトップやフィニッシュを意識していたけど、今は(インパクトの)タッチだけを意識している。私はドローが持ち球なので右の球が出ないように練習している」と話した。

 趙範洙コーチには「手が遅い。手が体の前に来るようにスイングしなさい」と指摘されている。体と腕がうまく連動していないのだ。

 イ・ボミは「去年までは意識しなくてもできたのに、それができなくなっている。ジュニアに戻ったと思って一からやり直す」と深刻な状態であることを打ち明けた。

 ほけんの窓口レディースでは予選落ちしながらも、ギャラリー投票によるベストスマイル賞とベストドレッサー賞を受賞した。「成績が悪くても笑いながらプレーしたからかな。お母さんから“今までいっぱい愛情をもらったので、駄目な時ほど頑張っている姿を見せないといけない”という言葉をもらったので一生懸命頑張ったんです」と言って笑みを浮かべた。

 試練の中にあっても笑顔を忘れない。プロ意識の高さには本当に頭が下がる。心からの笑顔を1日も早く見たい。(福永 稔彦)

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2017年5月19日のニュース