ミスユニバ熊本代表 野口真未さん 故郷とともに“復興” 響いた三段跳び選手の言葉
7月4日に開催される「2017ミス・ユニバース・ジャパン」大会に出場するミス・ユニバース・熊本代表の野口真未さん(20=熊本大3年)。三段跳びの現役アスリートでもある彼女が小学生時代から憧れ続けてきた選手がいる。15年日本陸上選手権三段跳びで優勝した熊本県南阿蘇村出身の中尾有沙(ありさ)さん。昨年1月に不慮の事故で脊髄を損傷した中尾さんは、20年東京パラリンピック出場を目指して、車いすランナーに転向。熊本地震で傷つきながら復興へ立ち向かう故郷に自らの姿を重ね合わせる中尾さんの近況を、野口さんがコラムで寄稿した。
ホップ・ステップ・ジャンプ。みなさん、三段跳びをご存じでしょうか?小4で陸上を始めた私にとって、ずっと憧れ続けてきた三段跳びの選手がいます。
中尾有沙(ありさ)さん。5月6日、大分銀行ドームで開催された「大分パラ陸上2017」。車いすで100メートルを駆け抜ける彼女の姿がありました。同じ大分銀行ドームに、私が小6の時に応援に訪れた「めじろん国体」。一般女子走り幅跳びで出場した有沙さんは、今の私と同じ熊本大の3年生でした。レース後の笑顔はその9年前よりも眩しく、思わず胸が熱くなりました。
有沙さんは熊本県陸上選手権で、走り幅跳び9連覇、三段跳び10連覇。そして2015年日本陸上選手権では13メートル09の記録で三段跳び優勝。文字通り、日本一のアスリートになりました。そんな憧れの彼女と、私は高校1年時に「岐阜国体」に走り幅跳びで出場。翌年に三段跳びを始めたきっかけは、ずっと有沙さんのカッコいい跳躍を見てきたから。ビデオに撮った跳躍を何度も何度も繰り返し見て、これまで練習してきました。
ところが、そんな有沙さんが不慮の事故に見舞われたのが昨年1月末。筋力トレーニング中に150キロのバーベルを担いだ時にバランスを崩して転倒。脊髄を損傷し、その後、車いすの生活になりました。それでも病室に会いに行くと、いつも笑顔で迎えてくれて、時には一緒にお菓子を食べながら競技へのアドバイスもくれる有沙さん。わずか数カ月後には、病室で1人の時に熊本地震に被災。精神的にも本当に大変だったと思います。でも、彼女は前を向いていました。
昨夏、20年東京パラリンピック出場を目標に定め、車いすレースを始めました。水前寺競技場やえがお健康スタジアムにランニングに行くと、以前のように練習している有沙さんの笑顔に会えます。特注したレーサー(トラック競技用車いす)を漕ぐ腕は、以前よりも逞しくなっていました。競技種目が変わっても、前向きな生き方そのものは少しも変わりません。その姿に、私も「ちゃんと練習しよう」と何度奮起させられたことか。私だけでなく、多くの人に夢と希望を与えてくれていると感じています。
有沙さんは言います。「今の熊本と自分をどうしても重ねてしまう。熊本も自分も失ってしまったものは多いけれど、そこから得られたものの方が大きい。良くも悪くも一からのスタート。原点に戻れたことを楽しもうという気持ちで、何もかもそろっていた以前の恵まれた状況を超えたい」と。故郷とともに“復興”を目指して、ひたむきに頑張る有沙さんの言葉だからこそ、心の深い場所まで響きます。車いす生活になって得られたもの。それは多くの人との絆。「三段跳びをやっていた頃より、たくさんの方に声を掛けてもらったり、出会う人も多い。今となっては体では返せないけど、次の目標に向けて頑張ることで恩返しをしたい」と教えてくれました。
東京パラリンピック出場という新たな目標に向けた挑戦はもう始まっています。そして「いつか健常者と障がい者のスポーツ大会をコラボさせたい。今まで一緒に戦ってきた三段跳びの選手たちと同じ競技場で普通に“頑張ろうね”と言い合えたら」という思いを語ってくれました。
「大きな目標を持って努力していれば、必ずいつかは結果に結びつく」。そう強い信念を持つ有沙さんが東京パラリンピックに出場している姿を見たい。私も熊本のために、少しでも元気を与えることができる人間になりたい。自分を信じて、その日まで大きくホップ・ステップ・ジャンプ!
◆野口 真未(のぐち・まみ)1996年(平8)8月27日、熊本市生まれの20歳。名前の由来は「真っすぐ未来へ羽ばたくように」。済々黌高から熊本大に進学し、現在、法学部3年生。昨年11月の「ミス・ユニバース・ジャパン熊本大会」でグランプリに輝く。陸上競技の現役アスリートで、走り幅跳びの自己ベストは5メートル54、三段跳びは11メートル67。今年4月の熊本県陸上選手権三段跳びで6位入賞し、8月の九州選手権への出場権を獲得。趣味は書道、旅行。好きな食べ物はチーズフォンデュ、塩トマト、ソフトクリーム。座右の銘は「努力の天才になれ」。尊敬する人は両親。身長1メートル69。血液型O。
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