錦織元ペア、三橋元プロを八百長追放 日本人初の処分 罰金も

[ 2017年5月17日 05:30 ]

 テニスの不正監視団体TIUは16日、八百長などの不正行為に関わったとして三橋淳元プロ選手(27)に永久資格停止と罰金5万ドル(約565万円)の処分を科すと発表した。

 発表によれば、三橋元選手は15年11月に南アフリカで行われたツアー下部のフューチャーズ大会で、自分が元コーチをした選手を通じ八百長を持ちかけた。金額はシングルスが2000ドル(約23万円)、ダブルスで600ドル(約6万8000円)だった。同12月のナイジェリアで今度は相手に直接、八百長を提案。同年10月から11月の間には、76回ものテニスを対象とした賭博も行っていた。度重なるTIUの招集に応じず処分が決定。08年設立のTIUで日本人が処分されるのは初めてとなった。

 三橋元選手は神奈川出身で、小学校までは米国で育った。05年に16歳以下の国別対抗戦ジュニア・デビス杯の日本代表に選ばれ、錦織圭ともダブルスを組んでプレーした。鋭いサーブやストロークで将来を嘱望された一方で、ジュニア時代から素行の悪さで知られ、日本協会の海外遠征中に未成年ながら飲酒して強制送還されたこともあった。「悪ガキのまま年を取っている」と話す関係者もいる。07年のプロ転向後は09年全日本選手権で4強。フューチャーズで6勝。世界ランクは09年にマークした295位が最高で、日本協会への選手登録は15年までだった。

 16年1月に八百長疑惑が世界で広がったが、日本も無縁でなかったことに衝撃が広がった。コンプライアンス(法令順守)徹底を強化している中での処分に、日本協会で総務などを担当する高橋甫常務理事は「対応している最中だったので本当に残念」と悔しがった。

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2017年5月17日のニュース