優作メジャー初V!「静かに勝ちにいけ」父の助言を胸に2差逆転

[ 2017年5月15日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本プロ選手権日清カップ最終日 ( 2017年5月14日    沖縄県名護市 かねひで喜瀬カントリークラブ=7217ヤード、パー72 )

18番、優勝を決めガッツポーズする宮里優作
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 優作が歓喜の舞いだ。地元で前日から順延された第3ラウンドの残りと最終ラウンドが行われ、宮里優作(36=フリー)が2打差の2位から出た最終ラウンドで8バーディー、2ボギーの66をマークして通算12アンダーに伸ばし逆転優勝した。13年日本シリーズJTカップ以来2度目の日本タイトル獲得で、5年シードを得られるメジャー大会は初制覇。4月末の中日クラウンズに続くツアー2連勝で通算5勝。年間複数回優勝は自身初となる。

 18番グリーンが舞台になった。ウイニングパットを沈めた宮里優は指笛が響く中、沖縄の祝いの踊り「カチャーシー」を披露した。「沖縄の血が騒いだ。体が覚えていた。指笛は最高です」。目を潤ませながら父・優さん(70)、母・豊子さん(66)と抱擁。兄・聖志(40)、妹・藍(31)とも抱き合った。2人に続いて沖縄でツアー優勝を飾り「マブヤー(魂)が付いているような気がした」と感慨に浸った。

 第3ラウンドの15番から競技を再開。2打差の2位で最終ラウンドに臨んだ。1番から連続バーディーを奪って首位の谷口に並び、3・5メートルを決めた4番で単独首位に浮上。第2打をピンそば30センチに止めた6番まで3連続バーディー。12、13番の連続バーディーでリードを広げると、難関の14番パー3は「ダブルボギーを打たなければいい」と左の池を避け、右のラフに第1打を打ちボギーで乗り切った。

 前日、コーチの優さんから「時々グリップのプレッシャーが強くなる。それがパットに影響しストロークが悪くなる。同じテンションで軽く打ちなさい。その方が飛ぶ」とアドバイスをもらった。スタート前には「静かに勝ちにいけ」と精神面の助言も。父の教えを守り逆転優勝につなげた。

 「母がゴルフをやらなかったら宮里家のゴルフはなかった。母の日に良いところを見せられて良かった」。母がゴルフを始めたのが42年前。当時24歳の豊子さんが優さんにグリップの握り方から教えた。28歳の優さんはすぐとりこになり「子供とゴルフ場に行くのが夢になった」。そして父が指導した3兄妹がプロゴルファーになった。

 実家のある東村は会場から車で40分。3兄妹の展示コーナーもある東村文化・スポーツ記念館は4月8日に開館した。来館した宮里優は「どんどん勝ってトロフィーを飾りたい」と話していたが、2戦連続優勝で有言実行。メジャー初制覇に「常日頃メジャーで勝つイメージづくりをやっていた。競った時に絶対ボギーを打たないで伸ばしていく練習をしていたので役に立った」と胸を張った。

 賞金ランクは首位に浮上。通算5勝は泉川ピートの4勝を抜き沖縄県出身者で最多となった。「父から“5勝して初めて一人前だ”と言われていたので良かった」。日焼けした顔に満足そうな笑みが浮かんだ。

 ★2試合連続優勝 宮里優は13年最終戦の日本シリーズJTカップで初優勝し、翌14年開幕戦の東建ホームメイト・カップで2試合連続優勝を達成しており今回が2度目。ツアーでは谷原秀人が昨年の長嶋茂雄招待セガサミー・カップと日本プロ選手権を制して以来。

 ★選手会長としての記録 在任中の2試合連続優勝は史上初。日本タイトル獲得は倉本昌弘(92年日本プロ選手権)、池田勇太(14年日本オープン)に続いて3人目。年間複数回優勝は86年杉原輝雄(2勝)、92年倉本昌弘(3勝)、01年片山晋呉(3勝)に続いて4人目。地元優勝は01年キリンオープン(茨城県)の片山、14年日本オープン(千葉県)の池田に続いて3人目。

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