スパーズ3年ぶり地区決勝へ パーカー&レナード欠場もロケッツに圧勝

[ 2017年5月12日 13:31 ]

今季自己最多の34得点をマークしたスパーズのオルドリッジ(12)
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 NBAは11日にヒューストンでプレーオフ西地区準決勝の第6戦を行い、2位スパーズが114―75(前半61―42)で地元の3位ロケッツに圧勝。ガードのトニー・パーカー(34歳)だけでなく、今季チーム最多の25・5得点を挙げていたカワイ・レナード(25歳)を左足首の捻挫で欠く布陣となったが、パワーフォワードのラマーカス・オルドリッジ(31歳)が今季自己最多の34得点と12リバウンドを稼いで3年ぶりに地区決勝に進出した。

 スパーズはレナードに代わってドラフト外入団のジョナソン・シモンズ(27歳)がスモールフォワードとして先発。31分の出場で今季の自己記録に並ぶ18得点をマークした。同選手はヒューストン大の出身だが、2つのジュニアカレッジを渡り歩き、セミプロ・リーグとNBA傘下のDリーグからはい上がってきた雑草男。しかしプレーオフ初先発となったこの日は攻守にわたって活躍し、このシリーズでは5試合にわたって2ケタ得点を記録した。

 スパーズは3点シュートを5本(試投22本)しか決めることができなかったが、10得点と11リバウンドをマークしたパウ・ガソル(36歳)がオルドリッジとともにサイズを生かしてインサイドで奮闘。シューター中心のスモールラインアップで臨んでいるロケッツの弱点を徹底的に突き、ペイント内での得点で62―18と圧倒した。

 レナードを欠いた試合は今季8勝1敗。このシリーズではファイナルMVPの経験もあるパーカーを太腿の筋断裂で第3戦から失うというアクシデントに見舞われが、さらに主力に故障者を出しながらもシリーズを制圧してしまった。抜群の手腕を発揮しているグレグ・ポポビッチ監督(68歳)にとっては自身10回目の地区決勝。過去6回はファイナルまでチームを導いているだけに、今季2勝1敗と勝ち越している1位ウォリアーズ相手にどのような采配を見せるのかが注目されるところだ。

 一方、ロケッツは頼みのジェームズ・ハーデン(27歳)が36分出場しながら、今季自己最少記録に並ぶ10得点のみ。FG成功は11本中2本のみで、残り3分15秒には6反則目をコールされて退場となった。

 トレバー・アリーザ(31歳)は5本の3点シュートなどでチーム最多の20得点を挙げたが、フィールドゴール(FG)の成功率はスパーズの53・1%に対して28・6%。今季はリーグ2位の平均115・3得点を挙げ、最少得点は93点だったが、大事な試合でそのワースト記録を更新してしまった。

 3点シュートを多用してテンポの速い試合運びを信条とするマイク・ダントーニ監督(66歳)は、控えセンターのネネ(34歳)が脚の故障で離脱した第5戦をわずか7人のローテションでまかなったが、これには批判が殺到。第6戦では“長距離砲”を打てるフォワード、サム・デッカー(23歳)を加えて実質8人で乗り切ろうとしたが、ここに至るまでの労力の多さがシュートの精度を低下させる要因になった。センターのクリント・カペラ(22歳)は15得点、12リバウンドを記録したが、インサイドで軸になる選手の数が不足。“外”にこだわるあまり“内”へのケアがおろそかになった。

 なお西地区決勝は14日にスタートするが、2シリーズ連続でスイープ突破を果たしたウォリアーズは「中5日」での初戦。これに対してすでに12試合を戦ったスパーズは「中2日」でのティップオフとなり、日程的にはホーム・アドバンテージを持っているウォリアーズがかなり有利と言えそうだ。

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