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新国立競技場が球技専用場になるなら、ぜひ陸上競技の「聖地」設置を

1964年東京五輪の男子マラソンで、国立競技場をスタートする選手たち
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 【藤山健二の独立独歩】2020年東京五輪のメインスタジアムとして建設中の新国立競技場が、五輪後は球技専用場として運用される可能性が高くなった。今月中にも政府が文部科学副大臣の下に設置した作業部会で協議し、一定の方向性が出される見込みだという。新国立競技場は五輪の開閉会式や陸上、サッカーなどで使用されるが、大会後に陸上用のトラックを撤去し、観客席を現在の6万8000席から8万席に増設する。新競技場は大会後に民間に運営権を委託する計画で、集客力の劣る陸上よりも観客動員が期待できるサッカーやラグビー、あるいはコンサートなどを優先するのは当初からの既定路線だった。

 長年、陸上競技を取材してきた一人としては残念だが、どっちにしても新国立競技場で陸上の大きな大会を開くことは不可能だったのも事実だ。なぜなら、新競技場には常設のサブトラックがないからだ。サブトラックがなければ世界選手権のような国際大会は開催できない。陸上関係者は近くに常設のサブトラックを作るように要望したがスペース的にも予算的にも厳しく、結局建設計画には盛り込まれず、五輪期間中は近くに仮設のサブトラックを設置することで調整した。

 今や「国立の施設だから赤字になっても税金で穴埋めすればいい」という時代ではない。集客力が重視されるのはやむをえないことだとは思う。世界陸上はもちろん、インターハイすら開催できないのに陸上用のトラックを残しておく理由は残念ながら見当たらない。ただ、陸上の競技人口はまだまだ多い。マラソンや長距離に加え、100メートルやリレーも注目を集めるようになってきている。後に続く子どもたちのことを考えれば専用とは言わないまでも、「陸上の聖地」と呼べるような施設を新国立競技場とは別のところに造ってあげてほしい。新たに陸上競技場を造るのはもちろん無理だから、既存の施設を利用すればそれで十分。別に「聖地」が東京である必要はない。諸条件を考えれば東京であるにこしたことはないのだろうが、国体のおかげで今は全国どこへ行っても立派な陸上競技場がある。それらの既存施設を改修すれば費用は最小限で済むし、地方経済の活性化にもつながる。

 せっかく五輪が開催されるのだから、これを機にいろいろな競技の「聖地」をたくさん造ってほしい。仮設施設で開催され、大会後に取り壊されてしまう競技もあるので、大会のレガシーという意味でもとても有意義だと思うのだが…。 (編集委員)

 ◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。

[ 2017年5月8日 08:30 ]

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