渡辺沙亜里 妻として母として、自分の限界に挑むクライマー

[ 2017年5月6日 13:52 ]

ボルダリングW杯八王子大会に出場した渡辺
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 妻として母として、自分の限界に挑むクライマーがいる。20年東京五輪での実施が決まったスポーツクライミングのボルダリングW杯八王子大会が6日、エスフォルタ八王子アリーナで行われた。

 女子の渡辺沙亜里(27)は、5課題中2課題しかクリアできずに予選落ち。「いい流れを作れずにメンタルが崩れてしまった。内容は不本意ですね」と振り返った。

 ボルダリングのジャパンカップを07年に制するなど男子のトップクライマーとして活躍した渡辺数馬さんと結婚。13年6月に長男の風馬くんが誕生し、3年前に競技に復帰した。生活の中心は子育て。「競技を本格的にやっている人とは少し違うのかな。息子が主体なんで、息子がどこかに行きたいと言えば練習はなくなっちゃいますね」。世界大会での上位進出よりも「今の状態でどれだけ成績を残せるか」が現在のテーマだ。

 現役選手として20年東京五輪を目指すつもりはない。「サポートの側に回って、みんなの力になれればいいな」。福岡で数馬さんとボルダリング・ジムを経営。東京五輪の追加種目に決定後、ジムに来る人は倍増するなど競技熱の高まりを肌で感じている。

 ジムが遊び場の風馬くんはもう、3メートルの高さまで登るようになった。「親バカなんで、才能があるかなって思っちゃう」。競技後、悔しさを露わにした美人クライマーは、母の顔に戻って笑った。

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2017年5月6日のニュース