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スーパーラグビーのチーム削減、人ごとじゃなかったサンウルブズ

ジャパンエスアールの渡瀬裕司CEO
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 今月8日、スーパーラグビー参入2年目のサンウルブズは秩父宮ラグビー場にブルズ(南アフリカ)を迎え撃ち、21―20で今季初勝利を挙げた。試合後の記者会見が終わりミックスゾーンへと移動する途中、チームを運営するジャパンエスアールの渡瀬裕司CEOの姿があった。歩み寄って祝福の言葉を掛け、握手を求めた時の表情が忘れられない。普段から柔和な笑みを絶やさない人だが、その時の、腹の底から安堵(あんど)したような表情。翌9日、スーパーラグビーを運営する統括団体SANZAAR(サンザー)は、来季から現行の18チームを15チームに削減することを発表した。

 後日、今回の削減についての話を聞いて、合点がいった。8日の午前中、渡瀬氏はSANZAAR側と断続的に電話会議を行い、サンウルブズ存続の確約を取り付けたという。来季のチーム数削減は決定的であり、南アフリカやオーストラリアのチーム数が削減されるとの報道は以前からあったが、実はサンウルブズもあぐらをかける状況ではなかったということだ。

 参入1年目の昨季は1勝1分け13敗、今季も8試合を終えて1勝7敗と苦戦が続いている。昨季に比べて今季はスコッドの数が50人を超え、戦力は増強された。それなのに勝利に結びついていないのは、日本代表のジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチがチームジャパン2019総監督の立場で、主力、若手を含めた日本代表候補選手(当然、サンウルブズの選手はこれに当てはまる)の年間試合数やコンディションを一括管理していることにより、必ずしもベストメンバーを組めてないのが一因だろうと感じている。

 スーパーラグビー参入はあくまで19年W杯に向けた日本代表の強化が目的であるため、今季の選手マネジメントが悪いとは思わない。6月、代表が世界ランキング4位のアイルランド戦で勝利すれば、このプランニングの成果だと評価できると思う。一方でサンウルブズを犠牲にして成績が上がらないようだと、今後再びリーグ再編の話しが持ち上がった時、削減対象のチームになりかねない。元々、現在の契約は、20年まで5シーズンの参戦。チームに競争力がなく、リーグ全体の質を落とす戦いが続いた場合、21年以降もサンウルブズが存続できる保証はどこにもない。

 1チームが削減されるオーストラリアでは、9日のSANZAARの発表72時間後に削減チームが発表されるはずだったが、強い反発を招いていまだに保留となったままだ。対象となっているレベルズとウェスタンフォースは声明を発表し、削減を推し進めているオーストラリア協会との対決姿勢も鮮明だ。両チームの所属選手、南アフリカで削減候補となっている2チームの選手は、シーズン真っ最中にも関わらず、チーム消滅の不安にされされていることになる。

 最大の目的を見失ってはいけないが、だからといって他のものを全て犠牲にしてはいけない。ジレンマとは分かっていながらも、何とかサンウルブズには2勝目、3勝目を期待せずにはいられない。(阿部 令)

[ 2017年4月25日 11:00 ]

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