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三井物産所属の柔道家・後藤隆太郎 マルチに頑張る道を選択

後藤隆太郎
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 毎年4月に行われる柔道の全日本体重別選手権は、国内大会としては最高峰レベルのものだ。各階級とも厳選された8人しか出場できない。その年に行われる世界選手権や五輪の選考材料の1つでもあり、出場できているだけでもエリート選手なのだ。

 今年の大会、異彩を放つ選手がいた。男子100キロ級に出場した後藤隆太郎、22歳。今春、慶大を卒業した彼が選んだ就職先は、大手商社の三井物産だった。入社式前の大会に社章をつけて出場した後藤は、初戦で技によるポイントを先制しながらも息が上がり、指導を3度受けて反則負けに終わった。「あれがいっぱいいっぱい、ですね。もともと練習量が多い方じゃないんで」と汗を拭った顔には、充実感が漂っていた。

 後藤がこれまで歩んできた道のりは、常に「学業優先」か「柔道優先」かの選択を迫られていたように見える。神奈川の公立中学時代に全国大会で準優勝。慶応高に進学後、インターハイでも3位に入った。慶大2年時には世界ジュニア100キロ級で並み居る世界の強豪を撃破して優勝。同じ階級には、今年の選抜体重別で初優勝したウルフ・アロン(東海大)も出場していた。

 大学卒業時には柔道を強化している企業からの誘いも複数あったという。だが、後藤は厳しい入社試験を経て、商社を選んだ。

 「何か世界に名前を残すような仕事がしたい、と思ってきました。柔道を頑張って、五輪で名前を残す人はすごい。でも、自分はマルチに頑張る方に魅力を感じたんです」

 配属決定後、4〜5年以内には海外勤務となる可能性が高いという。だからこそ「やれるうちは柔道も頑張っておきたい」とも思う。三井物産の柔道部は月に1〜2度、合同稽古をするが、後藤は業務の合間に大学への出稽古をするつもりでいる。実は、体重無差別で日本一を争う全日本選手権も今年、初出場する。三井物産所属の選手が、柔道家が一度でも出場したいと願う全日本選手権に出場するのは「たぶん、初めて」とも言った。

 日本版NCAA構想が本格化している。大学スポーツの活性化は、さまざまなプラスの側面があるだろう。だが、個人的に最も改善して欲しいと感じている、日米アスリートのセカンドキャリアの違いにどう好影響を与えるかは、未知数だ。例えば米国の金メダリストには、その後、医師や弁護士、実業家として大成功した人物は多数いる。果たして日本はどうか。

 最近、話題となった「単位より、順位」は、関東大学サッカーリーグ戦のキャッチコピー。大人が躍起になって批判するほどのことではない、と思う。だが、やっかいなのはその根底に流れる、日本の文化ではないかとも思う。つまり「二兎を追う者は一兎をも得ず」という、例のやつである。(首藤 昌史)

[ 2017年4月22日 09:30 ]

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