西山 熊本出身相棒と結束V“完全アウェー”PO制し逆転

[ 2017年4月17日 05:30 ]

女子ゴルフツアー KKT杯バンテリン・レディース最終日 ( 2017年4月16日    熊本県菊陽町 熊本空港カントリークラブ=6452ヤード、パー72 )

最終日、プレーオフを制し、大庭キャディー(左)と握手する西山ゆかり
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 1打差の2位から出た西山ゆかり(34=アマダホールディングス)が4バーディー、4ボギーの72で回り、4アンダーで並んだ上田桃子(30=かんぽ生命)とのプレーオフを制して2年ぶり2度目の優勝を果たした。上田は2打リードの最終18番でボギーとしたのが響いた。1打差の3位には申ジエ(28=韓国)と、7バーディー、2ボギーの67で回り、19位から追い上げた成田美寿々(24=オンワードホールディングス)が入った。

 完全アウェーの戦いを制した。プレーオフの末、1年8カ月ぶりにトロフィーの重みを味わった西山は「勝負の世界は、何が起こるか分からないですね」とつぶやいた。

 パットに泣き、パットに笑った。この日は3パットが実に4回。「今日はラインが逆に見えてしまって、読めていないなと思っていました」。だが、2打差を追う最終18番ではピン奥からの5メートルのバーディーパットをねじ込んだ。直後に上田が短いパーパットを外し、プレーオフへ。最後は1ホール目でパーをセーブした西山に勝利が転がり込んだ。

 「チーム芹沢」でつかんだ2勝目だ。15年のmeijiカップで初優勝した際は、師匠の芹沢信雄にキャディーを依頼し、今週は兄弟子で熊本・南阿蘇村在住の大庭長人プロ(55)がバッグを担いだ。大庭キャディーの元には昨晩、芹沢から“業務連絡”のLINEが入ったという。「バタバタして落ち着きがないと思う。冷静になるように導いてくれよ」

 大庭キャディーは昨年もキャディーを務める予定だったが、1年前の熊本地震の影響で大会は中止に。2年越しの初タッグに大庭キャディーは「まさか優勝するとは。奇跡みたいです」と感慨もひとしおの様子だった。

 熊本出身の上田への声援の中、2人は「アウェーだね」と苦笑しながらのラウンドだったが、西山の耳には自分への声援も届いていた。「熊本の人は私にも応援の言葉を掛けてくれた。本当にうれしかったです。それに、優勝して大庭さんにも(激励の)気持ちを伝えたかった」と思いを明かした。

 昨年は熊本地震本震直前の15日に祖母・佐百合さん(享年96)が亡くなった。西山は優勝カップを空に掲げ、すがすがしい表情で天国の祖母に優勝を報告した。

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2017年4月17日のニュース