熊本出身桃子 地元で首位発進、地震から1年「絶対、下を向かない」

[ 2017年4月15日 05:30 ]

女子ゴルフツアー KKT杯バンテリン・レディース第1日 ( 2017年4月14日    熊本県菊陽町 熊本空港カントリークラブ=6452ヤード、パー72 )

バンテリン・レディース第1日 観客に手を振る上田(左)と有村
Photo By スポニチ

 昨年は熊本地震の影響で中止になり、2年ぶりに開催され、熊本出身の上田桃子(30=かんぽ生命)が3バーディー、ボギーなしの69で回り、3アンダーで単独首位に立った。2位には永峰咲希(21=ニトリ)、永井花奈(19=デンソー)の2人が並び2打差で追いかける。熊本出身で永久シード保持者の不動裕理(40=フリー)は2オーバーの28位でスタートを切った。

 熊本地震からちょうど1年。「今日は絶対、下を向かない」。熊本出身の上田は特別な思いを胸にラウンドし、リーダーボードの一番上に名前を掲げた。3バーディーを奪い、ボギーなしで単独首位発進。「声援が大きかった。地元の力が見えないところであったのかな」。あふれる思いを言葉に込めた。

 黙とうをささげコースへ踏み出し、1番パー4でバーディー発進。4番パー5でもスコアを1つ伸ばし、「キーホールだった」とした右ダブルドッグレッグの9番(パー5)のパーセーブが大きかった。第1打、第2打とも木のそばに打ち込むトラブル。残り130ヤードの第3打はグリーンオーバーしたが、奥のラフから約1・5メートルに寄せてしのいだ。ピンチを乗り越えた後はバーディーを決めきれないパーが続いたが集中を切らさない。最終18番パー5をバーディーで締めくくった。

 被災した熊本市内の自宅は半壊し、現在建て替え工事中。昨年末に帰省した際には更地になっていて「全てが消えたみたいで悲しかった」と振り返る。「去年は絶対、自分が頑張って熊本に良いニュースを届けるんだと強く思っていた」というが、復興に向け前進する家族や知人の姿を見て逆に励まされた。「一生懸命、一打一打集中してやることで何かを感じてくれる人がいればいいなと思ってプレーした」。粘りのゴルフで2位に2打差をつけ、3年ぶりのツアー優勝へ好スタートを切った。

 熊本空港CCは07年にツアー初優勝した思い出のコース。ツアー11勝を誇る07年の賞金女王は「頭の疲労もうまく切り替えて、明日はまた一から集中。今日のスコアを自信に変えて明日、あさっても頑張りたい」と表情を引き締めた。

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月15日のニュース