【復刻版】真央、世界新!!完璧SP 五輪の雪辱「ソチの悔しさあったから」

[ 2017年4月11日 12:24 ]

浅田真央引退 復刻1面特集(2014年03月28日付)

浅田真央引退 復刻1面特集(2014年03月28日付)
Photo By スポニチ

 【世界選手権第2日(2014年3月27日 さいたまスーパーアリーナ)】世界新で夢舞台のリベンジだ。女子ショートプログラム(SP)で浅田真央(23=中京大)が、世界歴代最高得点となる78・66点で首位に立った。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めるなど完璧な演技を披露し、金ヨナ(23=韓国)が保持していた78・50点を0・16点更新。16位に沈んだソチ五輪SPの悪夢を払しょくし、あす29日のフリーで4年ぶり3度目の金メダルを狙う。鈴木明子(29=邦和スポーツランド)は71・02点で4位、村上佳菜子(19=中京大)は60・86点で10位だった。

 ピアノの旋律が終わるまで待ち切れない。右腕をスラリと伸ばすフィニッシュの前に、会場を埋めた大観衆がスタンディングオベーション。浅田の会心スマイルが完璧な演技の証だ。5年ぶりに自己ベストを更新する78・66点は、金ヨナの78・50点を上回る世界新。「演技が凄く良かったので満足してうれしかった。得点もちょっと期待していた。いつも得点は気にしていないけど、世界最高って聞くとやっぱりうれしい」。自分に厳しい浅田の自己採点は珍しく「100点」だった。

 全ジャンプを失敗し、16位だったソチ五輪のSP。2分50秒を終えた時点で、金メダルは視界から消えた。この日の演技中、ずっと心の中で唱えていた言葉がある。「ソチで悔しかったんだ!悔しかったんだ!」。トリプルアクセルを今季初めてSPで完璧に決め、その後もノーミス。もし、五輪でこの演技ができていたら――。そんな「if」は、浅田の頭にはない。「ソチの悔しさがあったから(今大会で)できたかもしれないし。人生、何があるか分からないので」と笑った。

 ソチから帰国したのは2月25日。今大会に向け、数日の完全オフを挟み拠点の中京大での調整期間は約3週間あったが、浅田は2週間しかないと思い込んでいた。自身のスケートだけに意識が向きすぎるのか、関係者は「予定を間違えていることがよくある」と笑って明かす。「ソチから帰って1週間は疲れや時差で大変だった」と浅田は振り返ったが、自身が思っていたよりも調整時間が多くなったことで、仕上がりは万全。「悔しさを晴らしたい」という高いモチベーションも好演技につながった。

 昨年4月の国別対抗戦後、今季限りで現役引退の意向を表明。その後、2月25日の会見では「ハーフハーフ」とした。進退にも注目が集まる今大会。この日は引き際を意識しているのか、「今まで頑張ってきた自分のためにも、いい演技をしようと思った」と言った。あす29日のフリーは24選手中21番目に登場。「SP、フリーの両方でパーフェクトに“やりきった”と思える終わり方をするのが目標です」。4分間の完璧な舞いと金色のスマイルなら、競技人生のエピローグにふさわしい。 (杉本亮輔)

続きを表示

2017年4月11日のニュース