藤井がW杯開幕戦優勝 3月に結婚の24歳、新妻に最高のプレゼント

[ 2017年4月10日 05:30 ]

スポーツクライミングW杯 ( 2017年4月8日    スイス・マイリンゲン )

スポーツクライミングのW杯開幕戦で優勝した藤井(共同)
Photo By 共同

 8日に、今季開幕戦となるボルダリング第1戦の準決勝と決勝が行われ、男子は昨季W杯総合2位で24歳の藤井快(東京都連盟)が優勝した。渡部桂太(三重県連盟)が3位に入り、杉本怜(東京都連盟)は4位。1〜4位は完登数1で並んだが、藤井は完登に要した試技数が最も少なかった。女子で昨年の世界選手権銀メダリストの野中生萌(東京都連盟)は完登数1で3位。ボルダリングは複数の課題に臨み完登した数を競う。東京五輪は登る速さを競うスピードと、登った高さを競うリードを合わせた3種目の総合で争われる。

 高難度の設定にてこずり、完登がないまま迎えた3つ目の課題。藤井は「これを登らないと優勝は厳しい。1回で決めよう」とギアを入れ直した。手足の長い1メートル75の体をしなやかに操り、スタートから30秒ほどで一気に頂点へ。「凄く簡単にできた。もう一度やれと言われてもできない」と振り返る会心の動きで、通算3度目のW杯優勝をつかんだ。

 絶好調ではなかった中での好結果に「率直に驚いている」と笑みがこぼれる。日本代表の安井ヘッドコーチは「グリップ力、イメージ力が強く、クレバー。勝負強いところが出た」とうなった。

 スポーツクライミングとの出合いは静岡・浜松日体中時代。静岡国体で使用された人工壁が学校に設置されていたことから興味を持ち、部活動で始めた。中京大を卒業した後は東京都内のクライミングジムで勤務する。最大の目標という東京五輪での金メダル獲得に向け、今季は「チャレンジの年」と位置付ける。

 3月に結婚したばかりの24歳。競技生活を支えるために鍼灸(しんきゅう)師の国家試験に合格した新妻へ、最高のプレゼントとなった。

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2017年4月10日のニュース