サンウルブズ、350日ぶりに勝った!ブルズを逆転 今季初白星

[ 2017年4月9日 05:30 ]

<サンウルブズ・ブルズ>ブルズに勝利し、歓喜のサンウルブズ・フィフティーン
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 スーパーラグビー(SR)は8日、秩父宮で行われ、開幕5連敗中だったサンウルブズはブルズ(南アフリカ)に21―20で競り勝ち、待望の今季初白星を挙げた。SR参入2年目のサンウルブズは、昨年4月23日のジャガーズ戦(秩父宮)以来350日ぶりの通算2勝目。11―10とリードして折り返した後半に一度は逆転を許したが、途中出場のSO田村優(28=キヤノン)ら経験値の高い選手の活躍で再逆転に成功した。チームは深夜、14日のクルセーダーズ戦(クライストチャーチ)に向けてニュージーランドへ移動した。

 後半29分、同じ32歳の矢富と交代したSH田中は、バックスタンド側からベンチへと戻る途中、ゴール裏から右WTB中鶴に指示を出した。「外で待っていろ」と。試合は相手陣5メートルラインのマイボールスクラムで再開。右へと攻撃を仕掛け、最後は中央の起点から矢富、田村を経て中鶴へとパスが渡り、4点差に迫るトライにつながった。

 休養を挟んで4戦ぶりの先発となった田中は「相手の守備を見て指示した。矢富も長いパスを投げられるので」と事もなげに言った。ピッチで役割を終えても冷静に戦況を判断し、経験値の浅い中鶴を声でアシスト。「歓声が凄くて気持ちよかった」と初勝利の喜びに浸った中鶴も、「フミさん(田中)が指示をしてくれた」と感謝した。

 後半開始から投入された田村は攻撃のリズムを生み、角度のあるキック2本も難なく成功させた。後半34分、田村が逆転PGを決めた後に自陣で防戦一方となった時間帯には、フッカー木津のタックル後、プロップ稲垣が素早くボールに絡み、相手の反則を誘った。田中、矢富、田村、木津、稲垣。いずれもがW杯経験者。これまでの5試合で中心となり、成長を遂げてきた若手に、経験値の高い選手が加わってつかんだ1勝。フィロ・ティアティア・ヘッドコーチ(HC)も「23人全員の勝利。シニアプレーヤーの貢献にはハッピーだ」と喜んだ。

 「RISE AS ONE」。昨年末、複数のスローガン候補からこの言葉を選んだ指揮官は、首脳陣の前でこう話したという。「このチームは負けが込み、苦しい時期が必ず来る。その時に、一つになって再び立ち上がりたい」。開幕5連敗でも決して下を向かずにはい上がってきた男たちの、必然の勝利だった。

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