松山“V字アプローチ”でV圏 11差圏外発進から6差16位浮上

[ 2017年4月9日 05:30 ]

米男子ゴルフツアーマスターズ第2日 ( 2017年4月7日    米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ=7435ヤード、パー72 )

18番でチップインバーディーを狙った松山(左)は、惜しくもカップインならずも大歓声に応える
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 54位から出た松山英樹(25=LEXUS)は5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70とスコアを伸ばし、通算2オーバー、146で首位と6打差の16位に浮上した。26位から出た池田勇太(31=フリー)は77とスコアを落として通算7オーバーの54位、80と崩れた谷原秀人(38=国際スポーツ振興協会)は通算12オーバーの84位でともに予選落ちした。リッキー・ファウラー(28=米国)ら4人が通算4アンダーでトップに並んだ。

 これが世界基準の“寄せワン”だ。終盤2ホール、松山が高難度のアプローチを成功させてピンチを切り抜けた。

 17番はグリーン右奥ラフ、残り60ヤードからの第3打を1メートルにピタリ。18番ではティーショットを右の林に打ち込んだ。松山は第2打は低い球で木の間を抜いてグリーン奥のラフに運んだ。残り28ヤード。グリーン面は急な下り斜面で途中に段差があり大きく右に曲がる難しいアプローチ。だが、ウエッジで放った第3打はグリーンでラインに乗って“V字”の完璧な軌道を描いた。ギャラリーがどよめく中、ボールは惜しくもカップをかすめたが、ピンから80センチに止まった。

 「(18番は)ああいう寄せ方しかない。何回も映像で見ているし、練習ラウンドでも(確認して)あの寄せ方しかないと分かっていた」。松山は事もなげに言うが、高い技術があればこそだ。

 予選カットラインに届かない54位でスタートしたが「いいプレーができれば通るし、悪かったら通らないだけ」と自分のプレーに集中。終盤でのパーセーブが優勝争いに望みをつないだ。

 フェアウエーキープ率は57・14%(66位)と1Wは乱れたが、アイアンは切れた。パーオン率は前日の77・78%(2位)から66・67%(14位)に下がったものの3番は1・5メートル、5番は1メートル、8番は50センチ。ピンに絡めてバーディーを奪った。

 合計パット数は前日から7も減り28パット(14位)とグリーン上の出来が大きく改善した。7番では2日連続ショットを木に当ててダブルボギーとする痛恨事もあったが、「状態が悪いので無理をしたくなるところで昨日と同じようにミスが出た。でも8番と10番で(バーディーを)取れたので流れよくプレーできた」と満足感も漂わせた。

 首位との差は11打から6打に縮まった。マスターズでは36ホール終了時の最大差逆転は1956年のジャック・バーク(米国)の8打差。前日の圏外から一気に“V圏”に浮上した。「それでも6打ある。それがなくなるように頑張りたい。明日、あさっては風が吹かないので我慢しているだけではチャンスは来ない」。決勝ラウンドは果敢に攻めていく。

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