“山の神”柏原竜二が現役引退 腰痛完治せず「復帰のメドたたない」

[ 2017年4月4日 05:30 ]

東洋大時代、箱根駅伝5区で4年連続区間賞に輝いた柏原
Photo By スポニチ

 富士通陸上部は3日、東洋大時に箱根駅伝で活躍して「山の神」と称された男子長距離の柏原竜二(27)が現役を引退したと発表した。

 関係者によると腰痛が原因。柏原は公式サイトで「昨シーズン(16年度)に度重なるケガ、故障をしてしまい、この発表をしている今でも完治しておらず復帰のメドがたたないことから競技の第一線を退くことにしました」とコメント。今後は社業に専念し、強化運動部のサポートや社会貢献活動の補助などの業務を行う。

 箱根駅伝では09年から5区山上りで4年連続区間賞を獲得するなど脚光を浴びたが、12年の富士通入社後は一転、苦しい陸上人生が待っていた。アキレス腱負傷などで練習がままならずトラックや駅伝で苦戦。15年9月にマラソンに活路を見いだそうとシドニーで初めて42・195キロに挑んだが、2時間20分45秒で7位に終わった。昨年3月のびわ湖毎日マラソンも2時間22分15秒で52位。まだ27歳とあって同社の福嶋正監督らから慰留されたが、「回復の見込みがない」ことなどを理由に引退を決断した。

 現役時代からアニメや漫画などサブカルチャーにも精通。「もっとスポーツに対する垣根やハードルを取り除き、スポーツのファンを増やしたい」と同じような趣味を持つ人の中からも、陸上ファンを開拓する意向も示している。自身のツイッター上でも「アニメとか漫画とかサブカルの(イベント)案件も受けていいらしいです」と明かし、自身の活動によって“スポーツとサブカルの融合”を目指す新たな活動にも意欲を見せた。

 ◆柏原 竜二(かしわばら・りゅうじ)1989年(平元)7月13日、福島県いわき市生まれの27歳。内郷一中3年の全中で3000メートル予選落ち、いわき総合高では総体、国体、全国高校駅伝出場なし。東洋大では09〜12年まで5区山上りで4年連続区間賞し、いずれも逆転で往路優勝のゴールテープを切った。09、10、12年は区間新を樹立。12年富士通入社。アニメ好きで声優の花澤香菜のファン。双子の兄を含む兄4人、妹1人の6人きょうだい。1メートル73。

続きを表示

2017年4月4日のニュース