真凜 2位でも凄い!ジュニア日本人初大台 平昌への200点越え

[ 2017年3月19日 05:30 ]

フィギュアスケート・世界ジュニア選手権最終日 ( 2017年3月18日    台北 )

2位となった本田真凜のフリー演技
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 本田真凜(15=関大中)は銀メダルで日本勢初の連覇に届かなかった。女子フリーで完璧な演技を披露して133・26点をマーク。合計を日本のジュニアで史上初の200点超えとなる201・61点としたが、208・60点の世界歴代最高得点を出したアリーナ・ザギトワ(14=ロシア)に及ばなかった。満足感と悔しさが交錯した15歳はシニアに転向する来季、平昌(ピョンチャン)五輪での金メダルを目標に掲げた。坂本花織(16=神戸FSC)は195・54点で3位、白岩優奈(15=関大KFSC)は174・38点で5位だった。

 15歳の表情がくるくる変わる。演技後、両手を振り下ろして会心の笑みを浮かべた本田だったが、リンクを下りて浜田コーチと抱き合うと涙があふれた。笑って得点を待っていたものの、201・61点にまた涙が浮かぶ。そして、自身の次に滑ったザギトワが世界歴代最高を更新して銀メダルに終わると、涙の意味は歓喜から悔しさに変わった。

 「演技についての悔いはない。200点を超えても負けは負け。順位に関しては凄く悔しいところもある。1位の選手に“おめでとう”と頑張って言いたい」

 完璧な「ロミオとジュリエット」を演じきった。ジャンプを軽やかに全て決め、3度のスピンとステップでも最高難度のレベル4を獲得。「最初から飛ばしすぎて、途中きついところもあったけど、全ての力を振り絞ってできた」。この日朝の公式練習で右足親指付近を気にするしぐさを見せたが、本番では関係なし。日本初の連覇は逃したが、ジュニアの日本女子で初めて200点の大台を突破した。

 演技前、本田には必ず行う儀式がある。「4方向で目を合わせる人を決めるんです」。アイスショーでは前列に座っている人、今大会のような大きな会場では中段あたりに座っている人。前後左右、リンクの4方向にターゲットを定め、視線を送る。「ジャッジの人にアピールするのはもちろんだけど、お客さんにアピールしたいから」。今大会はSP、フリーともに表現力が評価される5項目の演技点はトップ。観衆だけでなく、ジャッジにも確かに魅力は伝わっていた。

 連覇には届かなかったが、金を含む2大会連続メダルは05年金、06年銀の浅田真央以来。平昌五輪を見据え、来季シニアに転向する。今年の正月、家族と行った初詣は「五輪に行けますように」とお願いした。既に来季SP曲が決まり、この日もずっと新たな曲を聴いてイメージを高めている。「スケートを始めた時からの夢が五輪の金メダル。来季はそこを獲っていくつもりで強気でいきたい。駆け抜けていきたい」。悔しい銀の輝きはきっと、黄金に変わる。小さな頃から目指してきた、夢の舞台で。

 ◆本田 真凜(ほんだ・まりん)2001年(平13)8月21日、京都府出身の15歳。2歳でフィギュアスケートを始め、15年12月のジュニアGPファイナルで銅メダルを獲得すると16年3月の世界ジュニア選手権では金メダル。全日本選手権では15年9位、16年4位。姉、兄、2人の妹がおり、姉以外はスケーター。妹の望結(12)は女優としても活躍している。1メートル61。

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