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事故の後遺症乗り越え…平昌目指す元祖“つけまジャンパー”茂野美咲

今年2月のUHB杯ジャンプ大会で優勝した茂野美咲
Photo By スポニチ

 高梨沙羅の化粧が今ほど濃くなかった頃、ジャンプを取材している記者の間で“つけま”と言えばこの選手だった。3月3日に札幌・宮の森で行われた宮様スキー大会ノーマルヒルで、伊藤有希と高梨に次ぐ3位に入った茂野美咲(30=CHINTAI)である。

 ソチ五輪前、競技活動のために居酒屋で深夜までアルバイトをしているのが話題になったことを覚えている方もいるかもしれない。13年6月には不動産仲介業のエイブル&パートナーズに入社し、晴れてバイトは卒業。札幌市内の子会社で勤務するようになった。ソチ五輪は逃したが、平昌五輪を目指してジャンプを続けている。

 道のりは決して楽ではない。今季もW杯遠征メンバーに入っておらず、実績作りのためにはサマージャンプから抜群の成績を残し、アピールを続けていくしかない。それでも届くかどうかの綱渡りだ。

 背水のシーズンとあって今季は体重を10キロ近く絞り込み、成果と手応えは上々だという。ただし本人には複雑な思いもある。「みんなは痩せて凄いねって言うけど、それって(アスリートとして)当たり前のこと。それができていなかったんだから、逆にこっちとしては恥ずかしかった」

 当たり前のことができなかったのには一応の理由がある。15年の春頃、自転車での通勤途中にタクシーにはねられた。骨折はなく、入院もせずに済んだが「足首に痛みだけが残った」。走っても、跳んでも、痛みがある。シーズンに入ってもそれが引かず、「体も心も崩れてしまった」と低調なまま1シーズンを無駄にした。

 それでも体調面と歩調を合わせ、気持ちもジャンプも上向いてきた。時給700円ちょっとで寝る暇もなかった4年前の居酒屋ジャンパー時代を思えば、今は天国。「しんどくないですよ、もはや。寝られるというだけでありがたすぎて。その上で練習に集中させてもらえるんですから」。必死さは感じさせるが深刻ではない。一途に夢を追える喜びを確かに感じているのだろう。

 若い選手が跋扈する女子ジャンプ界では三十路はもう十分にベテラン。そういえば少しメークが穏やかになった。「前はつけまつげを2枚ぐらいつけていたけど、今は1枚になりました。大人になりました」と以前と変わらぬ屈託のない笑顔が浮かんだ。

 W杯の国別ランクでは3季ぶりに優勝を飾った日本の女子ジャンプ。高梨、伊藤の2枚看板だけでなく、茂野のような選手もその成長に一役買っている。(雨宮 圭吾)

[ 2017年3月16日 14:28 ]

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