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女子マラソンの新星、安藤友香に必要なのは休養 無理は絶対に禁物

世界選手権へ気合のポーズを見せる里内正幸コーチ(左)と安藤友香
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 【藤山健二の独立独歩】名古屋ウィメンズマラソンで22歳の新鋭、安藤友香(スズキ浜松AC)がリオデジャネイロ五輪銀メダルのキルワ(バーレーン)に真っ向勝負を挑み、日本歴代4位の2時間21分36秒で見事2位に入った。初マラソンの選手は無理をせずに自分のペースを守って走るのが普通だが、安藤は「勝負するにはとにかくついて行くしかない。後半なんかどうでもいい」とがむしゃらに食らついた。最近は初めから「日本人最高」を目指すモチベーションの低いレースが多かっただけに、歴代4位の快走にも「まだまだ自分の弱さがある。さらに磨いて世界と勝負できるようになりたい」と前向きな安藤に久々のオーラを感じた人も多かったに違いない。

 が然、8月の世界選手権(ロンドン)が楽しみになってきたが、だからこそ今の安藤にはあえて「無理をしない勇気も必要だ」と言いたい。今回の疲れを完全に取り、世界選手権に向けてまた一から体を作り直すにはそれ相応の時間がかかる。普段の練習と実際の試合とでは同じ42・195キロでも体へのダメージは全然違う。ましてや今回が初マラソンだ。自分では疲れが取れたと思っても、いざ練習を始めると思うように動けないことも十分ありえる。

 これまで五輪や世界選手権を狙う有力選手は、名古屋よりも1月の大阪国際か前年11月の東京国際に出場するのが通例だった。以前の名古屋のコースは風が強くて記録が出にくいということもあったが、3月の名古屋だと8月の五輪、世界選手権まで5カ月しかなく、万全の状態に仕上げるのが難しいからだ。

 実際に、07年優勝の橋本康子は大阪世界陸上で23位。08年優勝の中村友梨香は北京五輪で13位、09年優勝の藤永佳子はベルリン世界陸上で14位、12年2位の尾崎好美はロンドン五輪で19位、13年優勝の木崎良子はモスクワ世界陸上で4位、15年2位の前田彩里は北京世界陸上で13位、16年2位の田中智美はリオ五輪で19位とあまりいい結果に結びついていない。唯一の例外は00年の高橋尚子で、名古屋の後にシドニー五輪で金メダルを獲得している。ただし、この時は南半球のためにレースは1カ月遅れの9月だった。

 初マラソン後の今は、安藤にとって今後の競技人生を左右する一番大事な時期だ。これからやるべきことはまず疲れを完全に取ること。絶対に見切り発車をしてはいけない。わずか5カ月で調整が間に合いそうになければ、思い切って回避する勇気も必要だ。「今から縁起でもない」と言われそうだが、やっと出てきた世界レベルの逸材だからこそ、大事に育ててほしいと願わずにはいられない。(編集委員)

 ◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。

[ 2017年3月15日 10:30 ]

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