小平 500メートル総合V 2位に0秒73差 リンク記録更新

[ 2017年3月12日 05:30 ]

スピードスケートW杯最終戦1日 ( 2017年3月11日    ノルウェー・スタバンゲル )

女子500メートルを37秒14で制し、2季ぶり2度目の種目別総合優勝を決めた小平奈緒
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 第1日が11日に行われ、小平奈緒(30=相沢病院)が女子500メートルを37秒14の好タイムで制し、2季ぶり2度目となる種目別総合優勝を達成した。小平は今季の500メートルでは、W杯7レースを含む国内外の14レースで全勝。2月の世界距離別選手権、世界スプリント選手権に続く栄冠で主要国際大会のタイトルを総なめにし、来年の平昌(ピョンチャン)五輪へ弾みをつけた。小平は女子1000メートルは1分14秒90で2位。女子団体追い抜きは高木美帆、高木菜那、押切美沙紀が組んだ日本が3分0秒60で制し、2季連続の種目別総合優勝を飾った。

 W杯最終戦も小平が無敵ぶりを見せた。女子500メートルの総合ポイントで2位につける辻と同走で、内側のレーンからスタート。序盤の加速が持ち味の相手のお株を奪うダッシュで最初のコーナーに入ると、小気味よい脚の運びで遠心力を制してさらに勢いに乗る。バックストレートからは圧巻の伸びを見せ、会場を沸かせた。2位に0秒73差をつけ、あっさりと2度目の種目別優勝を達成。37秒14の好タイムでリンク記録を更新し、タイトルに花を添えた。

 「初めてシーズン終盤まで体調を崩さずに来られたのが全て」。初の種目別総合優勝を果たした2季前からの成長を内容で示した。前回はW杯の12レースで1位も37秒台も1度だけだったが、今季W杯はこれまで出場した7レースで全勝。国内大会も含めると14戦全勝と圧倒的な強さを誇る。

 昨季まで2季をオランダで過ごし技を磨いた。日本に戻ると食生活のストレスから解放され、体が絞れて動きに切れが増した。夏場に強度の高い練習をこなし、培った技術が一気に花開いた。「コンディショニングの面で試せたことがあったのは来季につながる」と来年の五輪をにらみ、シーズン後半に調子を上げる調整にも成功。11月のW杯開幕戦からレースを重ねるごとに記録を伸ばし、2月の世界距離別選手権と世界スプリント選手権では、立て続けに自身の日本記録を更新した。

 オランダでバランスを崩した体の状態は改善の余地を残しており「熟すのはもうちょっと先」「来年に向けた積み重ねの途上」とさらなる進化も期する。最終日(12日)の500メートルも勝てば同種目今季15戦全勝でシーズン終了。「もう1本レースがあるのでまだ手放しに喜べない」。30歳にして一皮も二皮も向けたエースはこれまでと変わらず、滑りの向上だけをひたすら追求し、あくまで五輪の頂だけをにらむ。

 ◆小平 奈緒(こだいら・なお)1986年(昭61)5月26日、長野県茅野市生まれの30歳。長野・伊那西高、信州大出。女子500メートル、1000メートル日本記録保持者。10年バンクーバー冬季五輪の団体追い抜きで銀メダル獲得に貢献し、1000メートルと1500メートルで5位。14年ソチ五輪は500メートルで5位。今季は世界距離別選手権の500メートルを制し、世界スプリント選手権も総合優勝。1メートル65、61キロ。血液型A。

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2017年3月12日のニュース