内村 故郷・長崎「リンガーハット」と契約 引退後まで総額4億

[ 2017年3月7日 05:30 ]

<体操・内村 リンガーハットと契約>「野菜たっぷりちゃんぽん」を試食する内村
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 破格のキング契約だ。体操界初のプロ選手で16年リオデジャネイロ五輪で団体、個人総合2冠の内村航平(28)が6日、都内で会見し、外食チェーンのリンガーハットと所属契約を結んだことを発表した。内村は20年東京五輪で引退する意向を持つが、契約期間は3月から現役生活を終えた後の21年12月末まで。試合の成績によるボーナスなどを含めると、総額4億円(推定)の大型契約となっていることも判明。強力なパートナーとともに、体操のさらなる発展に尽力する。

 野菜が苦手だった長崎出身の男の子にとって、一つだけ例外があった。「ちゃんぽんの野菜は食べていたし、むしろそこでしか食べなかった」。今や体操界のキングとして君臨する内村が所属契約を結んだのは、長崎で創業され、長崎ちゃんぽん専門店などを展開するリンガーハット。「同じ長崎出身で凄く縁がある。長崎から全国、そこから世界中へ体操を発信していける」と笑みを浮かべた。

 キングにふさわしい破格の待遇だ。20年東京五輪での引退を描いているが、契約は今年3月から21年12月末まで。現役生活を終えてからも、リンガーハットとの蜜月は続く。同社は「ちゃんぽん教室」など食育にも力を入れており、「引退しても一緒に食育の活動とかをできれば」と川内執行役員。内村も「一緒になって体操教室をやったり、食べることの大切さとかを教えていけたら」と前向きだ。

 4年10カ月の契約で、競技成績によるボーナスなどを含めると総額4億となることも判明した。内村は昨年12月にアシックスジャパンとアドバイザリースタッフ契約を結んでおり、今後もさらにスポンサーが増える可能性が高い。理想のプロアスリートとして挙げる男子テニスの錦織圭(27=日清食品)の年収約36億円には及ばないが、これまでの体操選手の常識を超えて、子供たちに夢を与える数字なのは間違いない。

 今季初戦は10連覇が懸かる全日本選手権(4月7〜9日、東京体育館)。リンガーハットのロゴが入った紅白の新ユニホームで登場する。「試合の1カ月前に(所属契約を)発表できて、改めてプロの選手として第一歩を踏み出せた。プロとして注目される一年になるので、演技で見せていけたらいい」。体操の地位を押し上げるために、キングはこれからも王道を歩み続ける。

 ▼リンガーハット 長崎ちゃんぽんの専門店「リンガーハット」などを全国展開。62年7月、長崎市に「とんかつ浜勝」を創業し、74年に長崎ちゃんぽんを主力商品にしたチェーン店の1号店を長崎市に開店した。本社所在地は東京都品川区で、本店所在地は長崎県長崎市。16年2月期の連結売上高は411億2900万円。会長は米浜和英氏。

 ◇五輪金メダリストの所属契約アラカルト◇

 ☆高橋尚子(00年シドニー五輪女子マラソン金メダリスト)小出義雄氏との師弟関係を解消した05年6月から、スポーツ健康用品会社のファイテンと4年6億円(金額は推定)の巨額契約を結んだ。09年5月末で契約を満了した。

 ☆北島康介(04年アテネ、08年北京五輪平泳ぎ2冠)日体大を卒業した05年から日本コカ・コーラ社と4年契約を結んだ。契約金は4年4億円(推定)。その後も契約を更新し続け、現役引退後の現在も所属している。

 ☆萩野公介(リオ五輪400メートル個人メドレー金メダリスト)今年1月にブリヂストンと所属契約を結んだことを発表。契約期間は22年3月末までの5年で、世界記録達成のボーナス給などを含めると、年間最大1億円に達する見込み。

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